14 これ…何?
「うっ…うっ……」
狭い個室の中に、私の嗚咽だけが響く。
私のせい。私のせい。
涙はどんどんとこぼれていく。
ここは病院。
看護師さんの診断によると、……の、脳死だって……。
そう。
もう、あの晴れやかな笑顔も見れないし、黒い瞳に見つめられることもないし、蒼也から聞こえる言葉たちも耳の中に収めることはできないんだ。
全部、私のせい…っ。
もしあの時、ちゃんとバスが止まった時に起きていれば……。
もしあの時、蒼也の手を掴めていたのならば……。
もしあの時、私が蒼也を庇って自分が受け身を取っていれば……っ‼
「う……うっ…」
私は、まだ温かいけど生気のない手を握りしめる。
もし私が……。
どんどんと零れていく涙の一つが、蒼也の手の甲に落ちる。
すると、信じられないことが起きた。
蒼也の手の甲から心臓に向かって駆け巡っていく。
青白い光の姿があった_________。
~諦められない練習たち~ に続く
きみを、◯◯◯◯◯ ① ~新学期の出来事~ こよい はるか @attihotti
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