9 勝手に学級委員のパソコン触ってるアイツ

目を開けると、そこはもう住んでいる街の風景ではなかった。

もう、京都に着いたらしい。

いつの間にかホテルの前にも着いていた。

横を見ると、蒼也はまだ寝ていた。

はあ…。

仲直りしてないけど、しょうがない。

起きてくれないと謝れないし。

「おーい、蒼也‼とりあえず…起きて」

そう言って揺する。

「う、うう……」

あ、やっと起きた。

「…あ……」

私に起こされたことに気付いたらしい。

謝るなら、今だ。

「「ごめんっ‼」」

…。

「「…え?」」

蒼也は何も悪くないのに。

プッ。

それで、どちらからともなく笑った。


ホテルの部屋に着いたら今日は自由時間。

ある範囲までだったら今日中はどこに行ってもいい。

…その分私は(学級委員は)そのクラス分の人たちの行動を確認しなきゃいけないんだけどね。

面倒。

もうお昼ご飯の時間だから、まずは食堂に寄らなきゃいけないんだけどね。

si-ア-る-テ-i食堂っていうんだ。

ホテルの隣にあるんだ。とりあえずそこに寄る。

蒼也がモリモリ食べてた。


みんなとの話し合いにより、私たちは結局部屋で各自過ごすことになった。

はあ。探検とかしないのか。

ま、別にいいか。

昼寝もできるし。

バスの中で寝てもまだ眠気抜けないから。

ちょうどいい。そう思ったけど、私にはピアノの宿題がある。

はあ……。

もう寝ている蒼也をバシッと叩く。

「…おい痛え」

「えへへ、ごめん」

ちょっと女の子らしくしてみた。

私、髪の毛肩までだからさ。

って、意味無いか。

いつもの私だったら、『そうでしょうね!私強いんですから!』って言ってたと思う。

少しでも嫌われないように。

えへ。

「…んで?なんだよ。バシッって背中叩いといて用事なしとかやめろよ?」

「いや、ピアノ行こ。地図にあったから」

「分かった」

面倒臭めんどくさそうに蒼也が起き上がる。

「なんで面倒臭めんどくさそうにしてるの」

「別にいいだろ。ほら行くぞ」

「はぁーい」

「坂木さん、井下、ちょっと部屋出るからよろ!」

「はいはいおけ」

「分かりました!」

「じゃ、行ってくる!」

「行ってら!」

タタタッ

部屋を出て階段を駆け下りる。

ピアノを触る。

まずは指ならし。

その後に弾いた。

朝に比べては良くなったんじゃない?


帰ってくると、勝手に学級委員しか触れないパソコンを触っていた。

どこにもパスワード表示してないのにどゆこと⁉

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