5 学活での発表と舞い上がり
キーンコーンカーンコーン……
「はーい、席座って~。」
クラスのみんなは、もう舞い上がっている。
そう、今日は四月十日。私が人生の中で一番恐れていた日。
日直は、四月六日が相原安澄ちゃん。蒼也の幼馴染で、私の友達だ。
四月七日が輝くん。フツーに出席番号順だからそのまま進むけど。
四月八日が蒼也。九日が井下。十日、今日が未知姉だ。
未知姉、井下になるといいね。
「姿勢を正しましょう!」
「はい‼」(クラスのみんな)
「これから、一時間目の、学習を、始めます!礼!」
「お-ね-が-い-し-ます‼」(ハイフンは小さい伸ばし棒で、クラスのみんな)
「はい‼今日の学活は何をすると思いますか?」
「えーっと、デート‼」
「こら!真面目に答えなさい!」
今、『えーっと、デート‼』って言った人は、4-3のクラスの問題児、加司昭登。
それに先生が反撃する。
デートなんてするわけないやろがって。
「正解は、四年生限定の『わくわく旅行』の話と、バス席・班・場所・ペア発表です‼」
「え、何それイエーイ‼」
私だけは『イエーイ‼』って言わなかった。
言いたくなかった。
「よし、じゃあ始めます‼まず、場所と班発表‼北海道は、相原安澄さん、長瀬健人さん、笠原未知歌さん、朝川輝さん‼これで一班です‼そして、杉山琴音さん、夜桜光希さん、鳥川愛華さん、加司蒼志さん‼これで二班です‼」
おー。いいんじゃないの、これ?
琴姉、蒼也と場所、一緒じゃないし。
ま、私的には、えっと、三班で、(なんでかというと、蒼也の出席番号が三番だから)京都で、蒼也と一緒の班がいいな‼で、ペアはもち、同じ‼
「次は京都‼まず三班‼井下遊樹さん、坂木飛羽さん、久保樹々さん、」
お願いします神様私と蒼也を一緒にしてください‼
「池川蒼也さんで三班です‼」
よっしゃー‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼
今まで生きてきて一番うれしい‼
何これ‼
フワォッ‼
その後のほかの人の場所と班なんて全っ然聞いていなかった。
「はい、次はペア発表です‼」
いつの間にかペア発表になっていた。
「はい、まず一班は…」
その後からは覚えていない。
「次、三班です。」
先生がそう言ったとき、私は我に返った。
「ペアは、坂木飛羽さん、」
お?どうなるの?
「井下遊樹さんでペア、」
よっし‼三班の残りは私と蒼也だから、やった、同じだ‼
念のため聞く。
「久保樹々さん、池川蒼也さんでペアです。」
よしよしよし、よしよしよし、よしよしよしよしよしよしよし‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼(言いづらい三三七拍子)
琴姉は睨んできたけど、原因不明で未知姉も悲しそうな顔をしていたけど、私はそんなことお構いなしに、舞い上がりすぎて、マジでその後の記憶がないのに気づいたのは、家に帰って宿題してお風呂入って自主勉強してベッドに入り込んだ時だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます