3 トイレでの心霊現象

「樹々、トイレ行こっ‼」

…これは第二人格だな。

「うん、いいですよ」

「で、どこ?」

「私も知らないんだよね、三年生の時東校舎だったから。」

「あ、そっか、柳桜第二小って本校舎と東校舎と西校舎があるんだよね。」

「うん、そうなんだ、ややこしいんだよね。四年生は西校舎だけど、五年生は東校舎で、六年生が本校舎だから。ちなみに、一年生は本校舎で、二年生が西校舎で、三年生が東校舎だったんだ。」

「…よく覚えてますね。」

OK、多分人格が変わるときって、二秒くらいの沈黙があるんだ。

「いやいや。」

そんな風に西校舎の二階を階段側に向かって歩いていると、トイレを見つけた。

「…お前、思ったより探偵だな。」

あ、…これ、第三人格か。

「ありがとうございます。」

「…素直にお礼言われても、俺、照れるだけだから。」

第三人格は、坂木さんは自分のこと『俺』って言うんだな。勉強勉強。

それぞれの個室に入る。


   ー 三十秒後 ー


終わったから、ドアを開けた。

…開けようとした。

ガチャッ、ガチャッ

……え?

開かない⁉

とっ、とりあえず坂木さん‼

「さ、坂木さんいます⁉」

……シーン。

え…いない?

どゆことよ⁉

でも、私には裏技がある。

登ればいいだけっていうね。


   ー 十秒後 ー


フツーに個室から出れた。

そして、私の最初に入っていた個室を見ると、ドアが開いていた。

…そして、授業には滑り込みセーフだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る