★シーン12:温もりを求めて(PC④)

〇解説

 PC④の個別エンディングの例。


〇描写

 「今回はご苦労だったな」


 支部に近いコンビニの前。暖かい缶コーヒーをあなたに手渡した木戸綾香があなたをねぎらう。


 「後輩にふがいないところを見せてしまった。先輩として恥ずかしいよ」


 人垣に突入した直後、紛れていた“悪豚”出原次郎に薬を打たれてしまった、と恥ずかしそうに語る。


 「二度ほど出原と対峙したことがあったんだ。今回はそれが裏目に出てしまったな。顔を覚えられていたようだ」


 と狙われた理由について、木戸綾香はそう推測した。その出原といえば先日、路地裏で見た奇妙な死体と同じ姿となって発見されたと聞く。


 「これで事件解決…とは言えないが、あの少女の手がかりもない。ひとまずは手打ちになるだろう」


 出原次郎を連れ去った“貪食”と呼ばれる少女。出原次郎の遺体が見つかって以来、手掛かりと呼べるものはなかった。それは同時に、今はまだ彼女の被害者が出ていないという見方もできる。


 「楽観はできない。が、休養も大事だからな」


 缶コーヒーを飲み干し、木戸綾香は歩き出す。


 「よし、じゃあ、あの日お預けになったご飯にでも行くか。もちろん、PC②も誘ってな」


 強い風に落ち葉が舞う。季節はもうすぐ冬。温もりを求めて、ラーメンでもどうだろうかと、二人のUGNエージェントは歩き出す。向かう先は繁華街。

 その明かり一つひとつを守るために、彼ら/彼女らはつかの間の休息を満喫するのだった。

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