★シーン1:“悪豚”と“貪食”(PC④)
〇解説
ある日、先輩エージェント・
PC④の導入シーン。チケットは“悪豚”
※一部グロテスクな表現があります。
〇描写1
秋のはじめ。
夏の暑さがようやく落ちつき、人々が衣替えを始めようという季節。
『“悪豚”
その一報を受けたあなたは、昨夜彼が逃げ込んだというK市駅前を訪れていた。近くに中華料理屋があるコンビニの前で、先輩エージェント・
※以下セリフ
「昨夜、この先の行き止まりに“悪豚”と呼ばれるFHエージェント・出原次郎を追い詰めた。しかし、そこでイレギュラーが発生した」
「やつが逃げ込んだ先に、少女がいたらしい。出原が少女を組み敷き、押さえつけた」
「一般人だと判断したエージェントたちは少女に退避を指示したが、彼女はオーヴァードだったようだ。自力で出原の拘束を解いた。まではいいんだが」
「問題はここからだな。エージェントたちいわく、その後、少女は人の脳を喰っていたらしい。確かに今、向かっている現場には、その、なんだ…頭と言うより脳が無い死体があった。それも複数体」
「もし本当なら、正気の沙汰ではないな…。だが、エージェント数名が精神に異常をきたしている。状況的には真実なのかもしれん」
「しかも、だ。食後、その少女と“悪豚”が二人でどこかへ消えたらしい」
そこで黄色い規制線が貼られた路地裏が見えてくる。
「呼んでおいてなんだが、現場は見なくてもいい。正直、私が状況を整理する話し相手が欲しかっただけなんだ」
「どうする? 確認するか?」
▶確認する場合以下を描写 ※グロテスクな描写です。
「そうか。私はここで待っておこう。何度も見るものではないからな」
規制線を越え、件の路地裏へ。遺体は隅の方で安置され、発見された場所にはロープで人型が描かれている。地だまりや血しぶきが地面や壁にできており、時間が経って黒く変色していた。夏ではなかったことがせめてもの救いかもしれない。
遺体は、マネキンのようでもあった。頭蓋が頭皮ごとめくれ、中にあるはずの脳しょうが無い。視神経が脳から千切れ、頭部を動かすと目玉が転がった。そのような状態の遺体が3体。静かに安置され、迎えを待っていた。
現場を後にし、コンビニで買った暖かい缶コーヒーを木戸綾香があなたに渡す。
「引き続き、出原と少女の行方を追う。これ以上、あんな悲惨な被害者を出すわけにはいかない…」
それぞれの決意を胸に、あなた達は“悪豚”出原次郎と、数日後に“貪食”と呼ばれるようになった少女を追うのだった。 ※望むなら“悪豚”と“貪食”に対するロイスを獲得。
○描写2
それから1か月。
なかなか目ぼしい情報が見つからないあなた達のもとに、“悪豚”の目撃情報がもたらされる。それは『夢の国』と呼ばれる、都市伝説にもなっている遊園地で撮られたという写真。
SNSにあげられたその写真に、彼に似た人物が写っていることをUGNが発見したのだった。
しかし写真はブレブレで、『夢の国』というのも眉唾ものでしかないが、ようやく得た手がかりでもある。
「その『夢の国』に行くには、特定のチケットを人数分もって遊園地の跡地に行く必要があるらしい」
パソコンの画面を確認しながら、あなたと木戸綾香は夢の国の情報を集めていた。
「遊園地の跡地か。そう多くは無いだろう。ここからだと…ああ、『アトラクションパーク』か。私も小さい頃は両親とよく行った場所だ」
マップを確認し、近くの遊園地跡地を探すと、K市にある『アトラクションパーク』が一番近そうだった。
「チケットは、フリマだな。どれどれ…。あるにはあるが怪しいものばかりだな」
フリマのサイトとにらめっこしていると、
「『夢の国』のチケットってこれっすよね? 先輩たち、興味あるならどうぞっす」
隣で作業していた後輩エージェントが金色で縁どられた黒い封筒を二つ、あなた達に渡してくる。
「なんか親のとこに送られてきたらしくて、『彼女と行けー』って俺のとこに来て。でも俺、彼女いないし興味もないので良ければどぞっす」
“悪豚”と“貪食”を追い続けた二人の努力が生んだ偶然。
こうして、週末。あなた達二人は、K市郊外にある今はなきアトラクションパーク。その最寄り駅「遊園地前バス停」で降りたのだった。
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