二千十七年八月二十七日(1回目)
二千十七年八月二十七日(1回目)
「うっわ、ぐっちゃぐちゃじゃん……キレーな顔してるのにかわいそー。どうしますこの女? もう廃人みてーになってますし、慈悲深く殺してやりましょうかね。こんなんじゃもう売り物にはならないでしょーし!」
「…………それ、俺に寄越せ」
二千十七年十月十一日(1回目)
「身体の具合は? ……ああ、傷が少しはマシになってきたな。口枷を外すぞ…………こら、噛むな。悪いが死なせてはやれない」
「なんでこんなことするのかって? なんで死なせてくれないのかって?」
「きまぐれだよ」
「あと、高校の頃、実は少しだけ好きだったんだ。それだけ」
二千十八年一月二十六日(1回目)
「……寝てるのか」
「何もしない、何もしない……だからそんな顔するなよ」
「…………なあ、最近やっとお前に酷いことをした奴等を全員殺し終わったけど、他に何かして欲しいこととかってある?」
「え? なんでそんなことしたのかって?」
「……全員この世からいなくなれば、少しは安心できるだろう?」
「あと、単純に俺が気に食わなかったんだ」
二千十八年三月十三日(1回目)
「だいぶ、調子が良くなってきたな」
「なあ。これからどうしたい? 自由になりたい?」
「……いや、聞いただけだよ」
「悪いが『自由』だけはあげられない」
二千十九年十月二十四日(1回目)
「なあ、触っていい?」
「抱きしめて、口付けて、お前に酷いことをしてきた外道共と同じことをしてもいい?」
「……お前のこと、ぐちゃぐちゃにしていい?」
「いやなら、それで俺のこと殺していいよ。それで自由にしてあげる。あとは好き勝手に生きてもいいし、お望み通り死んでもいいよ」
「…………馬鹿な女。本当にいいんだな」
「もう二度と、離してなんかやらねーぞ」
「自由なんてやれないし、勝手に死ぬのも許さない、絶対に」
二千二十二年四月一日(1回目)
「……全部殺してきたよ」
「ごめんな、痛かったよな、苦しかったよな……」
「ちゃんと守ってやれなくてごめんな」
「なあ、俺もそっちにいっていい……?」
「いやだっつっても、いくけど」
「……ああ、全部全部、やり直せればいいのに」
二千十二年四月四日(2回目)
ここはどこ。
あの人がいない。
身体中痛くて痛くて仕方がなかったはずなのに、痛くない。
あれ、おなか……
いない、いない……なんでなんでなんでなんで!!!!!?
あれだけの目にあったのなら確かに無事では済まされないだろう、そんなことはわかってる。
だけど、なんで私だけ無事なの?
ここはどこ、ねえ、あなたは、あなたたちはどこにいってしまったの。
リピート再生 朝霧 @asagiri
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