第2話 死神とトラック

死んだな。あぁ…これは絶対死んだわぁ…。

突然だが俺は「佐倉 燈」。高校1年生だ。

今、青信号で横断歩道歩いていたのだが、どうやら居眠り運転していたトラックに轢かれたらしい。ふざけんな。

まあ、起こってしまったことはもうどうにもできない。

それより今は…この状況をなんとかしてくれないか…。

今の状況?俺死んだはずなのに生きてて家の前に立ってるし、なんか変な服着てるし…。

あれは夢だったのかな…。

そう思った瞬間だった。上から声がしたのは。

「やっほー!!みんな元気ぃ!?僕は神だよ〜☆」

は?こいつ何言ってるんだ?自分で神って言ってる…引くわ〜。

「おい、そこの自称神。みんなって誰のことだ?」

「この画面の向こう側にいるみんなのことだよぉ〜!!それよりさ、どう?その格好。かっこいいだろ…???」

本当に冗談きついぜ…。

画面…?そんなものどこにもないんだけどな。

ていうかなんで浮いてんの?

「なんとか言えよ〜!!さくらとうくん♡」

「なんで俺の名前知ってんだよ!?てかきもっハートつけんなっ!!!」

「もう〜つれないなぁ〜泣泣今の状況説明しようと思ったんだけど…きもっとかひどいこと言うならやめようかな〜♪」

それは困るな。

「えっと…ごめん…。状況を説明してくれ!!」

「OK!君、死神になったよ。」

神だと名乗ったそいつはさっきとは違う真面目な顔でそう言った。

「どういうことだ…?」

そいつは続けてこう言った。

「佐倉燈、16歳。12月14日4時2分。母親に頼まれおつかいに出かけたがトラックに轢かれて死亡。世界番号2。」

「なんだ?それ。」

「君が死んだ日の記録。天気は…雪だね。」

「いや、なんでお前がそんなに詳しく知ってんの?そして俺今生きてんじゃん。」

「今の君は世界番号3に生きる君だよ。世界はたくさんあってね、死んだのは1と2。3はまだ生きてる時間軸なんだよ。1は溺れて、2はこの前君が事故った時に死んだやつだね。」

全然話が理解できない。

「なんでじゃあ俺生きてんの?」

「それは偉大なる大神星様が一人一人『こいつはもういらない』『こいつは生きなければいけない』と判断なされているからさ。君は大神星様に『必要』と判断されたんだね。でも普通の『人間』じゃなくて『死神』という仕事を与えたんだよ。」

うん。全くわからんし。俺1回すでに死んでたのかよ。

「大神星様って誰?」

「大神星様は僕達神より上の存在。何十、何百、何千とある世界を一人でずっと統一されている方だ。」

大神星様…おそるべし。

「でもなぜ俺が死神になったんだ?別に特にこの世に未練はなかったし…。」

「それは君が経験しないといけないことをまだ経験していないからかな…?それとも単に人手不足かもしれないしね。それは大神星様にしか分からないな。」

「そうか…。」

というかどうやって死んだ人間を違う世界に…?

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死神の涙 @Bakuhaneko

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