いろんな作品を見てきましたが、いい意味で言葉の荒さや無骨さがにじみ出ていて
宗田さんらしいです。50作品ぐらい同時読みしても、おそらく宗田さんだとわかる文章です。世には言葉が綺麗にそろった丁寧な作品が数多くありますが、誰がかいたものかわからないという作品も多いです。宗田さんは宗田さんの文体が確立していて、特許とってるような感じがします。
内容ですが、恋愛がはじまってからの現実、というものをSNSでもよく目にしているので、読んだときは感慨深い部分でした。男女のセリフのやりとりも、宗田さんらしいです。ほぼ短編なので、中身についてはこのぐらいにとどめておきます。
本来(わたしの感覚では)、基本的には主人公の視点をころころ変えてはいけないというものがあると思いますが、短編の勢いというメリットを活かしたスピーディーな人物の視点変更があります。勢いで書ける宗田さんの強みですね。
急に展開がいい意味で無骨になる部分もありますが、それも宗田さんらしいです。
予想できる展開でも、やさしく読ませてくれる作者で、とにかく後味がよかったです。