2 影咲希ケータの学園生活2

 放課後――。


「おつかれさまです、影咲希先輩~!」


 走り寄ってきたのは赤い髪をショートヘアにした美少女だった。


 今年からサッカー部のマネージャーになった新一年生の赤羽根あかばねりつだ。


 小学校まで外国で暮らしていた帰国子女で、彼女自身も外国人の血が入っているらしい。

 四か国語を操り、成績優秀スポーツ万能容姿端麗……という、まさに完璧超人な女の子だった。


 僕と彼女は中学時代の先輩後輩で、彼女の完璧ぶりは数えきれないほど目にしていた。


「はい、タオルどうぞ」

「ありがとう、律」


 彼女が差し出したタオルを受け取る僕。

 律は他の選手たちにもそれぞれタオルやスポーツドリンクなどを手渡していく。


 テキパキした動きで、早くもベテランのマネージャーみたいだ。


「今日も絶好調ですね。さっきの紅白戦でも2ゴール……すごいです」

「春の大会が近いから調子を上げていかないとね」


 僕は燃えていた。


「でも、律がサッカー部のマネージャーになるとは思わなかったよ。生徒会長やりつつ陸上部でも全国大会でかなりいいところまで行ってただろ」

「えへへ、陸上は、まあ……一区切りというか」


 律が口ごもった。


 ん、どうしたんだろう?


「高校では違うことをしたかったので。前からサッカーに興味ありましたし、それでマネージャーになろうかなって。ここの学校、女子サッカー部はありませんし」


 言いながら、律がすり寄ってくる。


 妙に距離が近いな……?

 と思ったら、さらに律は体を寄せながら、上目遣いに僕を見上げた。


「っていうか、あたしの気持ち――ちゃんと気づいてよね、影咲希先輩」

「えっ」

「さっきから、なんか鈍感。あたし、これだけ自分の気持ちを匂わせる気配みたいなのを出してるのに……ちょっとは気づいてくれないかな」


 いきなりタメ口になる律。

 まあ、中学時代はこんな話し方だったし、むしろサッカー部での敬語の方が違和感あるんだけど。


「あ、つい……他の人がいない場所では、このしゃべり方でいいよね、先輩」

「ああ、僕もその方が話しやすいし」

「で、あたしの気持ちに気づいてる? あたしのこと、先輩はどう思ってるのよ?」

「えっ? えっ?」


 グイグイくる律に僕は防戦一方だ。


「あたしのママは高校のころ、すごく好きな人がいたけど失恋したそうなの。忘れるのにずいぶん時間がかかった、って言ってた」


 律が言った。


「もっと積極的にいけば、振り向いてくれたんだろうか? とか後悔もたくさんしたって。だから、あたしは自分の気持ちにまっすぐに行く。好きな人が振り向いてくれるまでガンガン行くからねっ」

「り、律……」


 それ、もうほとんど告白だよね?


「返事は今すぐじゃなくていいから、あたしのこと――ちゃんと女の子として見てよ。いいでしょ?」

「……ごめん、僕は好きな人がいるんだ」

「知ってる!」


 花音さんのことを言おうとしたら、律が即答した。






***

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