特別編「その後のおはなし」
1 影咲希ケータの学園生活1
本編終了後のちょっとしたアフターストーリーです。ちょこちょこっと読める程度の長さで終わる予定……(´・ω・`)
***
僕、
隣のクラスの松川さんって人らしい。
相手は緊張の面持ちだった。
かなりの美人で、確かうちのクラスの男子が噂していたのを聞いたことがある。
「か、影咲希くん……っ!」
松川さんが詰め寄った。
「は、はい……?」
僕はその分、遠ざかってしまう。
勢いに押された感じだ。
松川さんがさらに距離を詰める。
僕がさらに遠ざかる。
「……なんで逃げるの?」
「いや、距離近いよ」
「私のこの燃えるような思いを伝えたくて近づいてるの! 私の気持ち――全部受け取ってほしいの!」
松川さんはすごい迫力だ。
顔が赤いし、息が荒い。
たぶん、この展開は――アレだろうな。
僕は内心でため息をついた。
そしてその予想通り、
「私と付き合ってください……っ!」
松川さんが定型句で交際の申し込みをしてくる。
――これで今年に入ってから三人目だった。
相手は美人だし、性格もよさそうなのは分かっている。
付き合ったら楽しいのかなぁ……と思いつつも、どうしてもその気になれなかった。
「……ごめんなさいっ」
僕は深々と頭を下げる。
「ハア?」
松川さんは露骨に不快そうな表情になった。
「この私が付き合ってあげるって言ってるのに、何よそれ? 恥かかすんじゃねーよ!」
「そう言われても……誰と付き合うかは僕の自由意志ですので」
「カッコつかないからさ、ちょっとだけでも付き合ってよ」
「そういうのって『カッコつけ』で交際するものじゃないでしょう」
「仲間内での面子ってのがあるんだよ!」
彼女が怒声を上げた。
「あんた顔はいいし、とりあえず連れて歩く分には合格点よ。あたしの美貌に見合ってる。うん」
……前言撤回。
性格がよさそうに思えたのは外面の第一印象だけだった。
やっぱり付き合いたくないや。
「はあ、やっぱり僕には
告白イベントをなんとか乗り切り(もちろん「ごめんなさい」で最後まで押し切った)、僕は部室に向かいながら、ため息をついた。
『花音さん』――フルネームは
優しくて綺麗なご近所のおねーさんで、僕の憧れの女性。
そして僕の――初恋の人だ。
***
いじめられっ子の俺が【殺人チート】で気に入らない奴らを次々に殺していく話。
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