14 俺は真白さんの両親に挨拶をする
「はあ、緊張した……」
ご両親への挨拶を終えた。
俺は真白さんのお父さんとお母さんに、彼女と付き合っていることを告げた。
結婚を考えていることも。
年齢差もあるし、厳しいことを言われるかな、と覚悟していたんだけど――。
「おおおおおっ。真白をもらってくれるのかね、コータくん!」
「まあ、あのちっちゃかったコータくんが……うふふ」
ご両親は手放しで喜んでくれていた。
「一生結婚には縁がないと思っていた真白がまあ……」
それどころか感極まって泣き出してしまったのだ。
俺は終始大歓迎された。
「今日はありがとう、コータくん」
真白さんが嬉しそうに笑っていた。
「付き合い始めたときは……こんなふうになるなんて思ってなかった」
「あのときは……俺はまだ高二だったしね」
「私だって二十代だったのよ」
真白さんが言ってから、ぼそっと付け加えた。
「……ギリギリだけど」
「二十九だったからね」
「はあ……せめて、あと五歳若ければなー」
「いいんだ。俺は二十代の真白さんも三十代の真白さんもずっと好きだよ。十代のころだって――」
俺は真白さんの手を握った。
「……ありがと」
照れたように視線を逸らす真白さん。
うん、可愛い。
「……ん」
いきなりキスされてしまった。
周囲に人はいなかったから、誰にも見られてないと思うけど――ときどき、大胆だからな、真白さんって。
などと考えつつ、唇に残る熱い感触の余韻に浸る。
「後は家でゆっくりしよ。ね?」
「うん」
俺たちはうなずき合い、歩き出した。
爽やかな風が吹く中を、歩いていく。
その先に、俺たちの幸せな未来が続いていると信じて――。
※次回、最終回です。
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