14 プールの後で、俺と真白さんは……

 プールを終え、俺は真白さんと一緒に俺のアパートに戻った。


 土日は俺のアパートで一緒に過ごすことが多いため、なんだか週末限定で結婚生活を送っているような気持ちになってくる。


 いつか、そうなれたらいいな……。


「ねえ、春歌ちゃんって可愛い女の子だったね」


 真白さんが言って、俺は思考を現実に戻した。


「えっ? ああ、まあ顔は可愛いかな……」

「幼なじみなんだよね?」

「ああ」


 真白さんがぐいっと顔を近づけてくる。


 キスしたい……。

 さっき、プールで感じた衝動が大きく湧き上がってくる。


 ここは二人っきりだし、してもいいよな。


「真白さ」

「昔から彼女のことを意識したりしてた?」


 キスをしようと顔を近づけかけたところで、真白さんがたずねた。


「えっ?」

「だって、あれだけ可愛いんだし、コータくん、意識してたんじゃないかなーって?」


 あれ、もしかして妬かれてる?


「そういう関係じゃないよ。昔から、今もずっと」


 俺はきっぱり言った。


「でも、男と女だよね?」

「真白さん、追及厳しくない?」


 顔は笑ってるけど、なんか目が笑ってないような……?


「ねえ、コータくん」

「何?」

「キスして」


 真白さんが唇を突き出してきた。


「舌も入れて。思いっきり激しくキスしてほしい」

「ど、どうしたの、真白さん……? むぐっ!?」


 戸惑う俺に、真白さんの方から唇を重ねてきた。


 柔らかな唇の感触にうっとりする間もなく、舌をねじ入れられる。

 まるで貪るような激しいキスだった。


「ん……んんっ……」


 時折漏れる真白さんの声が、やけにエロく聞こえる。

 俺は口の中で動く舌に自分の舌を絡ませ、夢中で彼女の唇を吸った。


 真白さんは体を押し付けるようにして、なおも激しいキスを続行する。

 いつも以上に濃厚で、俺はさすがに戸惑ってしまった。


 そんな熱烈なディープキスを十分ほど続けて、ようやく真白さんは唇を離した。


「ふう……っ」


 すっかり顔が上気し、頬が赤くなっている。

 キス直後の真白さんの顔が色っぽくて、俺はドギマギしてしまった。


「えへへ、正直に言うと……私、ヤキモチ焼いちゃったの」


 真白さんが決まり悪げに言った。


「嫉妬深くてごめんね……でも、気持ちのおさまりがつかなくて……それでいっぱいキスしちゃった」


 うっ、そういうところ、本当にかわいいぞ、真白さん……!


 俺は胸をときめかせた。


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