7 引き続き、真白が同僚女から追及される(真白視点)


「その……ごめん、これ以上は話せないの」


 真白は頭を下げた。


 いくら五年来の友人が相手でも、さすがに一回り下の男子高校生が彼氏とは言えなかった。


「みちるちゃんにも秘密にしちゃって……本当にごめんなさい」

「えっ、あ、そういう深刻な系? や、やだなー、気を遣わないでよ」


 みちるはハッとした顔で手を振った。


「あたしこそ軽々しく聞いてごめんね。もうこの話題は出さないから許して」

「そんな、私こそ」

「はい、おしまい。次の議題は――この天ヶ瀬あまがせみちるにどうやったら新しい彼氏ができるのか、よ!」


 みちるが明るい口調で叫ぶ。


「それ、さっきの話題に戻ってるだけじゃない」


 真白は思わずツッコんでしまった。


「あ、それで思い出した。聞いてよ真白、なんか最近、妹が後輩の男の子といい感じらしくてさ~」


 と、みちる。


「妹さん……って、生徒会で書記やってるんだっけ」


 名前は確かルルと言ったはずだ。


「そうそう。その生徒会の後輩。妹は半年くらい前に女癖の悪い大学生が彼氏になって、色々と……まあ、ちょっと男嫌いになりかけてたけど、やっと新しい恋に踏み出せるっぽいよ」

「へえ、それはよかったじゃない」

「ううう、ルルに先を越される……」


 みちるが半泣きになった。


「よしよし」


 真白はそんな彼女の頭を撫でつつ、


(そういえば、妹さんもコータくんと同じ高校か)


 と思い出していた。


「ああ、コータくんに早く会いたい……」

「コータくん?」

「あっ」

「ふむふむ、それが彼氏の名前か~」


 みちるがニヤリと笑った。


「あ、もちろん誰にも言わないからね。約束」

「ありがと」

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