6 真白は同僚女とランチし、いろいろ追及される(真白視点)
真白はその日も朝から忙しかった。
申請書に社内稟議、発注書、総務に提出する書類などなど。
仕事に追われ、気が付けば昼……いつものパターンである。
「んー、昼休みだー」
とはいえ、仕事の後のランチタイムは格別の喜びだった。
いつものように同僚で友人のみちると近くの定食屋に入る。
「うーん、これよこれ。生き返るなぁ~」
みちるはいつものA定食を食べながら、幸せそうな顔をしている。
真白より一つ年下の二十八歳、独身。
ゆるやかなウェーブがかかった栗色の髪を肩のところまで伸ばした可愛らしい女性なのだが、彼氏いない歴は五年目に突入していた。
「あーあ、このまま男なしで人生が過ぎていくのかなぁ……」
「みちるちゃん……」
最近、毎日彼女からこのセリフを聞いている気がした。
「ううう、男が欲しいよ男が欲しいよ男が欲しいよ~」
「よしよし」
駄々っ子のように『男が欲しい』を繰り返す同僚を、真白は頭を撫でてあげた。
彼女とは、かれこれ五年来の付き合いだ。
当時、彼氏と別れたばかりのみちるの愚痴に真白が付き合って以来、定期的に飲みに行く仲になった。
その後、みちるは現在に至るまで新たな彼氏はできていない。
一方の真白は、コータに再会するまで年齢=彼氏いない歴だったわけで、二人は『男がいない』という点で意気投合し、友人になったのだった。
(でも、みちるちゃんは私と違ってモテるからなぁ……どうして新しい彼氏ができないんだろ?)
五年前までは、ほとんど彼氏が途切れたことがない、と豪語していたみちるだが、そこから全然出会いがないらしい。
「真白~、抜け駆けはなしだよぉ」
「え、えっと、その……」
思わず言葉に詰まる真白。
「何、その態度――まさかあんた彼氏できた!?」
みちるが身を乗り出してくる。
「お、落ち着いてよ、みちるちゃん……」
「その顔は彼氏できたね! うん、最近の真白、妙に綺麗になったと思ってたんだ。いや、まあ前から美人だけどさ」
「えへへ、そんな……」
「で、ぶっちゃけ誰よ? 社内のだれか? それとも外の人?」
「うっ……」
ちょっとだけならいいか、と真白はうなずいてしまった。
みちるの勢いに押されたこともあるし、彼女なら信用できる、という判断もあった。
「あー、やっぱりかぁ……あたしだけ置いてけぼりだぁ……」
「み、みちるちゃん……」
「ねえ、その人から誰か紹介してもらえない?」
「う、うーん、それは難しそう……」
コータの知り合いなら、基本的に高校生だろうから、さすがにみちるとは年齢的に釣り合わない。
(……その『年齢的に釣り合わない』男の子と付き合ってるんだよね、私)
思わず自分自身を振り返ってしまい、真白はため息を漏らした。
「ん、その態度――上手くいってないの?」
みちるがスッと目を細めた。
彼女は他人の態度の変化に敏感だ。
「それなら――この自称恋愛マスターのみちる先生に任せなさいっ」
「自称なの?」
「そこ、ツッコまない!」
「あっはい」
「よろしい。で、その彼氏ってどんな奴? 何か合わないところがあるの?」
みちるが追及してきた。
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