5 アラサー清楚お姉さんはあいかわらず(性的に)激しい

「ごめんね、コータくん……いつも、私から誘ってるね……」


 真白さんが謝ってきた。


 悲しそうな表情だった。


 もしかして、何か思い詰めてる?

 心配になって、俺は慌てて両手を振った。


「そ、そんな……俺は別に」

「私、男の人と付き合ったことがないから」


 俺の言葉を塞ぐように、真白さんが言葉を重ねる。


「どうやって距離を詰めればいいのか……よく分からないの」

「真白さん……?」


 様子が変だぞ。


「だから、ついこうやって迫ってしまって……幻滅しないでね。私、セックスだけじゃなくてコータくんともっと」

「俺だって真白さんともっと色々話したいし、その、エッ……チ以外でもいろんなことをしたいよ」


 俺はそう言って真白さんを抱きしめた。


「それは週末のデートで果たせばいいかな、って」

「コータくん……」

「だから今は……思いっきりエッチしてもいいんじゃないかな……?」


 俺は彼女に囁いた。


「っていうか、もっと真白さんと触れ合いたい」

「ふふ、私も」


 俺の言葉に真白さんが微笑んだ。




 俺たちはシャワーを浴び、ベッドに入った。


 すでに一度ならず彼女と肌を重ねているけど、今までほど緊張してないな……。

 今の俺には、そんな自分の内心を冷静に観察するだけの余裕があった。


 同時に、期待感は今まで以上に高まっている。

 行為自体に少しずつ慣れてきたためだろうか。


「私ね……初体験するまでは、こういうことに忌避感があったの」


 真白さんが言った。


 俺たちは裸で抱き合っている。

 薄暗い部屋の中で、真白さんの体が女らしい綺麗なラインを描いているのが見えた。


「自分から誘っておいて何言ってるんだ、って感じでしょうけど……あのときは酔った勢い以上に、今までの想いがいろいろあったから……それにコータくんを慰めたかったし……ああ、思い出すとやっぱり恥ずかしいね」

「俺も思い出して、照れくさくなってきた……」

「ふふ」

 真白さんは微笑みながら、俺の頬にキスをした。

「可愛いね」

「……なんか年下扱いされてる」

「だって年下じゃない」

「そうだけど――」


 言いながら今度は俺から真白さんにキスをした。


 逆襲だ。

 頬じゃなくて唇を奪う。


「んんんっ……!?」


 不意打ちに驚いたのか、真白さんが目を白黒させた。

 しばらくキスを味わった後、


「真白さん、週末もまた会えるね」


 唇を離した俺は彼女を抱きしめ、耳元でささやいた。


「うん、楽しみ」

「俺も――」

「もっともっと、コータくんと一緒にいる時間を増やしたい」


 真白さんが言った。


「あーあ、仕事がなかったらなぁ。私、学生時代にコータくんと付き合いたかった」

「そのとき、俺はまだ小学生だよ」


 苦笑する俺。


「だね……年の差が恨めしい」

「でも、今こうして一緒にいられるから」

「うん」


 俺たちは微笑み合い、またキスをした。


 さっきから何度も唇を重ねているけど、まだまだ物足りない。

 ずっとこうして重ね合っていたい――。




 ……この後、俺たちはめちゃくちゃ〇〇した。


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