4 アラサー清楚お姉さん、突然訪問する


 真白さんとは今度の週末に会うことになっている。


 考えてみれば、恋人同士になってから……というより、再会してから初めてのデートかもしれない。


 付き合うより前に体の関係を持っちゃったし、その後もひたすらエッチする日もあったりして……。


 だから、すごく楽しみだ。


 とりあえず駅のショッピングモールでご飯食べたり買い物したり……と言った感じで考えている。

 そのうち、もっと遠くまで出かけたりもしたいけど――。


 なんて、今後のことに思いを馳せていると、突然チャイムが鳴った・


「こんな時間に誰だろ……?」


 宅配便だろうか?


 俺は玄関に行き、覗き窓から見てみる。

 立っていたのは、艶やかな黒髪をストレートロングにした清楚系の美人お姉さん――って真白さんじゃないか!


「ど、どうしたの、真白さん……?」


 俺は慌ててドアを開けた。


「ごめんなさいっ……いきなり押しかけてしまって――」


 真白さんは申し訳なさそうだった。


「せめて連絡すべきだったよね? つい足が向いてしまって、その……週末まで、待ちきれなくて……」

「いいよ、そんな謝らなくても。来てくれて嬉しい」


 俺はにっこり笑った。


「すごく嬉しい」

「えへへ」


 真白さんが照れたように笑う。


 ああ、やっぱり可愛いな。

 一回りも年上なのに、なんだか年下の女の子と接しているような気持ちを一瞬感じてしまった。


 俺はドアを閉じ、真白さんを家の中に招き入れる。

 リビングに向かおうとした瞬間、


「コータくんっ……!」


 真白さんが待ちきれないとばかりに抱き着いてくる。


 待ちきれないのは俺も同じだった。

 お互いに貪り合うように唇を重ね、吸い合った。


 リビングまで行くがもどかしく、廊下で抱き合ったまま濃厚なディープキスを交わす。


 清楚な顔立ちなのに、キスやエッチになると積極的になるのは相変わらずだ。


 いや、いつも以上に積極的かもしれない。

 熱情をぶつけてくるようなキスに、俺は押されっぱなしだった。


 真白さんの舌が熱い。

 別の生き物のように動いて、俺の口内をかき回してくる。


「んんんっ……」


 俺は目を白黒させていた。

 長い長いキスを終え、俺たちはようやく唇を離す。


「はあ、はあ、はあ……」


 真白さんは息を荒くしていた。


 ……ちょっとキスが激しすぎたのかな。

 トロンとした目はやけにエロい光を宿しているように見えた。


 まあ、エロい気持ちが高まってるのは、俺も同じだ。


 とはいえ、家に来た早々、いきなりエッチにもつれこむのもちょっとな……。

 体だけの関係じゃないんだし、まずは恋人同士としての甘い時間を過ごしたいところだ。


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