4 チャラ男にデレデレの魅花3(魅花視点)
「どうだ、初エッチの感想? 気持ちよかっただろ?」
「うーん、よく分かんない……でもドキドキはしたかな」
「そのうちよくなるかもな。俺の方は気持ちよかったよ」
阿鳥は満足そうにタバコの煙を吐き出す。
「これで俺がお前の『初めての男』だよな。やっぱ征服感ってやつがあって、たまらねぇわ。処女は何人食ってもいいよな」
「もう、他にもこういうことした相手がいっぱいいるんじゃないでしょうね?」「へへへ」
魅花の追及にも、阿鳥はヘラヘラ笑うだけだ。
チャラい外見に見合って、それなりの女性経験はあるのだろう。
……まあ、モテないよりはいいか。
嫉妬を感じないわけではないが、魅花は自分自身をそう納得させた。
それに、これからは自分が彼にとっての『一番』になればいいのだし、なれるという自信があった。
「あ、そうだ。あいつとはちゃんと別れろよ、魅花。関係がつながったままだと色々面倒くせーからよ」
阿鳥が言った。
「別れる? コータと?」
「おいおい、二股か? 俺を舐めてるんじゃねーだろうな」
阿鳥が怒りの表情を浮かべた。
「もう、怒らないでよ。あたしはもうあんたの彼女になったんだから。ちゃんとコータとは別れるってば」
「なら、いい。舐めた真似は許せねーからな」
まだ阿鳥は不機嫌そうだ。
意外とプライドが高いのかもしれない。
「あたしにはあんただけよ。心配しないで」
言って、魅花は彼の頬にチュッとキスをした。
「……ふん」
阿鳥が魅花をぐいっと抱きしめる。
「んん……」
今度は向こうから、唇にキスをされた。
タバコの匂いが強いキスは、コータとは明らかに違う。
――翌日、魅花はコータに別れを告げ、晴れて阿鳥の恋人となったのだった。
これからは彼と毎日のようにラブラブ、いちゃいちゃ、甘々な毎日が始まる――。
そう期待していたのだが、あれから二週間ほどが経っても、阿鳥の態度は特に変わらなかった。
LIMEなどで連絡しても既読がつくのが遅かったり、連絡もそれほど豆にはしてくれない。
実際に会いに来てくれたのも、一度きり。
ちょうどコータに別れを告げた日だけだ。
あれ以来、阿鳥とは会えておらず、まさか一夜限りの関係になるのでは……と不安になるほどだった。
「そんなわけないよね……阿鳥さん、あたしのことを彼女だって言ってくれたし。『処女をもらえて嬉しい』って言ってくれたし……」
魅花はこみ上げる不安を振り払い、彼との幸せな未来を夢想するのだった。
***
次回は主人公視点に戻ります。
***
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