第3章

1 生徒会メンバー紹介

 俺は赤羽根先輩に連れられて生徒会執行部にやって来た。


 四階の一室を使っていて、机がコの字に並べられている。

 部屋の中には男子生徒一人と女子生徒が二人――たぶん、これがフルメンバーだろう。


 三人はいずれも美少年、美少女って感じで、俺は少し気後れしてしまった。

 赤羽根先輩も美少女だし、美男美女だらけの中に俺一人だけ普通人が混じってる感じだ。


「紹介しますね。書記の仕事を手伝ってくれる影咲希コータくんです。学年は二年生。みんな、仲良くしてくださいね」


 と、赤羽根先輩が三人に言った。


「一年の桐生きりゅうけいです。庶務を担当しています。よろしくお願いします」


 礼儀正しそうな男子生徒が一礼した。

 優しそうな顔立ちで性格もよさそうだ。


「どうも」


 抑揚のない口調で礼をしたのは眼鏡をかけた女子生徒。


「三年。天ヶ瀬あまがせルル。会計。ふう……」


 けだるげなため息をもらす。


「あ、ルルさんは低血圧気味で、いつもこんな感じなんです。別にやる気がないわけじゃないので」

「やる気があるわけでもないけど……ふう」


 赤羽根先輩のフォローに、またため息をつく天ヶ瀬先輩。

 で、最後の一人が、


「ふーん、二年生か。けど、ここではあたしの方が先輩だからな」


 挑むような目つきで俺を見据える。


「『蜜さんの右腕』の座は渡さねーぜ。あたしは北条ほうじょう霧子きりこ。生徒会副会長にして将来の会長の座を蜜さんから引き継ぐことを約束された女だ。一年だからって馬鹿にするなよな」

「よ、よろしく……」


 俺は三人に一礼した。


 桐生はともかく残りの女子二人は、なんだか癖が強そうだな……。

 上手くやっていけるだろうか、俺。


「では、影咲希くんも席についてください~。さっそく仕事を片付けちゃいますよ」

 赤羽根先輩が言った。


 あらためて整理すると、生徒会のメンバーはこんな感じだ。


 生徒会長、赤羽根蜜(三年)。

 副会長、北条霧子(一年)※生意気

 会計、天ヶ瀬ルル(三年)※低血圧

 庶務、桐生計(一年)※優しそう

 そして暫定書記の俺。


 ――この五人のメンバーでやっていくことになりそうだ。

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