13 赤羽根蜜は生徒会長


「さっきはごめんね、コータくんっ」


 春歌が深々と頭を下げた。


「気持ち、抑えられなかった……サイテーだ」

「いや、いいよ。俺の代わりに怒ってくれたんだろ?」


 俺は春歌の肩にぽんと手を置いた。


「うー……猛省」

「ほら、気を取り直して。そうだ、放課後にまた『爆裂バーガー』に行くか」

「行く!」


 一瞬で立ち直った!?


「よーし、燃えてきたぞ~! がんばれ、ボク! 心を燃やせ!」

「いや、そこまで喜ぶほどのことでも」

「なんで!? 『爆裂バーガー』に行くんだよ! コータくんもれっつふぁいあ!」

「れ、れっつふぁいあ……?」


 春歌の謎のノリに俺は付いていけなかった。

 こいつ、ここまで『爆裂バーガー』が好きだったのか。

 と、


「あらあら、修羅場になっていたんですね」


 にこやかな顔で一人の女子生徒が歩いてくる。


「私も見てみたかったですわ」


 鮮やかな真紅の髪を長く伸ばした、美貌の女子生徒。

 髪の色は染めているわけではなく、外国の血が入っているためだとか。


赤羽根あかばね先輩……」

「ごきげんよう、影沙希かげさきくん、剣ヶ峰さん」


 スカートの端を両手でつまみ、彼女――赤羽根みつは優雅に一礼してみせた。


「蜜さん……」

「お元気そうですわね、春歌さん」


 赤羽根先輩が春歌に微笑む。

 あれ、この二人って知り合いなのか?


「昔、道場で一緒だったの」

「私はその後やめてしまいましたが……春歌さんは全国優勝までして本当にすごいですわ」

「えへへ……でも、あのころは蜜さんの方が強かったんだよね」

「へえ」

「昔の話ですわ」


 ミステリアスな笑顔だった。


「そうそう、あなたに用があって来たのです、影沙希くん」

「俺に……?」


 生徒会長の用って、一体なんだろう?



***

いつも感想ありがとうございます。いただいた感想はすべて目を通させていただき、とても励みになっています。

返信する余力がなく、何もお返しできていないのが心苦しいのですが……まずは更新ペースを維持することに注力していきたいと思います<m(__)m>

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る