8 俺と真白さんは激しく求めあう(主に性的に)
ちゅく、ちゅく、という唾液が混じり合う音がいやらしく響く――。
二人っきりの部屋の中で俺と真白さんは唇を重ね、舌を絡め合っていた。
魅花を相手にキスの経験はあるけど、ここまで激しく求めあったことはない。
振り返ると、俺はかなり魅花に遠慮していたんだろうな。
あまり積極的にいって、相手から引かれたらどうしようとか。
本当はもっと触れあいたいし、エッチなことだってしたかったけど、それを表に出すのはカッコ悪いと思って、一歩引いてしまったりとか。
そんな俺の態度が、魅花の気持ちを遠ざけてしまったんだろう。
結果、彼女は別の男の元に行ってしまった。
俺から離れていってしまった。
結局、俺のせいなのかな。
魅花に悪いことをしたのかな、俺……。
「……もしかして、元カノさんのことを考えてない?」
真白さんがいきなりキスを中断し、ジロリとにらんできた。
ぎくり、とした。
なんで俺の内心が分かったんだろ。
顔に出てたりしたのか?
それとも真白さんが鋭いのか――。
「そ、そんなこと……」
俺は思わず声を上ずらせてしまった。
「本当に?」
視線が、痛い。
でも真白さんと一緒にいるときに魅花のことを考えてた、なんて知られたくない。
……ごめん、真白さん。
「ほんとほんと」
俺はコクコクとうなずきつつ、背中にぬるい汗をかいていた。
焦りと罪悪感。
そして同時にこうも思った。
真白さんって、けっこうヤキモチ焼くんだな……。
申し訳なさがある一方で、ちょっと嬉しくもあった。
真白さんにヤキモチを焼かれていることが。
「まあ、私はコータくんの彼女にしてもったわけじゃないし……しょうがないのかな……」
「えっ」
今のは……思わずつぶやいたんだろうか?
「あ、ううん、なんでもない」
真白さんは慌てたように首を振った。
『彼女にしてもらったわけじゃない』っていう言葉が引っかかる。
真白さんなりに線引きしているのか?
俺に対して遠慮しているのか?
気遣ってくれているのか?
俺は――。
「はい、この話題は終わりっ」
真白さんが両手を振った。
「でも、俺……」
「だめ、言わないで……」
真白さんは切なげにつぶやきながら俺の唇を自分の唇で塞いできた。
これ以上、何も話させないように。
話題にしたら――『結論』が出てしまうかもしれないから、だろうか。
俺と真白さんの関係に。
恋人同士なのか。
体だけの――つまりセフレのような関係なのか。
あるいは――。
真白さんは、その結論を出すのを嫌がった……?
***
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