第8話 仲直り

 ニヶ月がたち夏休みになっていた。

 悠也の人間関係はスカートめくりをした当初から比べると、かなり良くなった。

 クラスメイトたちもよく話してくれるようになった。

 悠也も相変わらず、ふざけたりしてみんなを笑わせていた。いつの間にか、悠也は孤独ではなくなっていた。

 以前は孤独を紛らわすために秘密基地で遊んでいたが、もう秘密基地には行かなくなっていた。なぜなら悠也は孤独ではないからだ。もう遊ぶ友達もいる。凛々花とも仲直りした。

  

 八月中旬。蝉の声がうるさい朝。

 悠也はペダルを漕ぎ、夏のムワッとした風を切り裂いていた。 

 悠也はこの日、サトシたちと市民プールに行く予定だった。しかしその前に、あの里山の秘密基地に向かおうとしていた。なぜならアスカに会うためだ。なぜか悠也は無性にアスカに会って話したかった。

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