友人に突き飛ばされたはずみで事故に遭い、異世界の少年へと転生した主人公。授かりの儀式で転移魔法と空間収納を授かったものの、魔力高がわずかに20とほぼ使えないレベル。それでも自在に使える生活魔法と転移魔法を活用して数々の修羅場をくぐり抜け成長してゆく。

同作者の「魔力の足りない冒険者」と同じ世界を舞台に、前作よりもさらに厳しい能力値の主人公が、工夫と努力で活躍するさまはかなり爽快。個人的には前作よりもこちらのほうが好みかな。

一言で言えばザマァ系、コレは誰しもうなずいて頂けると思います。ただ、この作品ってある意味パラレルワールド。
この作者の書く作品、同様のスキルを持った主人公の設定なんですが、それぞれが違った形でその力を使っているんです。
基本は一緒、今回はニャンコが名バイプレイヤーでしたね。
其々に違った味のある作品が揃ってます。
自分ならこうだとか、どうだとかって考えながら一つの作品を色んな展開で考えたりする事って有りませんか？この作者様書くのは自分で自分の作品をオマージュにシリーズ化した様なもの。他の作品も合わせて読むと味やフレイバーの違う詰め合わせみたいで面白いですよ。

弱かった頃にやられて強くなってやり返す話ではなく、見た目から絡まれての智略と地道に鍛え上げた強さを使いつつの無双。無双とは言わない？

リアルでも居そうな嫌な奴を、瞬殺と言うよりも何だかんだと工夫してやっつける感じ。展開の描写が丁寧で楽しめる。

スキルありの工夫もあるし、スキルなしの工夫もある。情け容赦ないけど、話の展開が必ずしもスキル頼みなわけでもなく、バリエーションもある。

個人的には喰えない伯爵キャラが好き。