第22話 開かれた



 祭りの夜には、巨大なトーチに火がつけられて、その周りで踊るというよく分からない催しがあった。


 ミレイも参加してみたが、踊り方が分からなかったので、すぐに退屈になってしまった。


 パスカルやルルも踊っていたが、やはりミレイにはよさが分からない世界だった。


 そんな中、ついに扉が開かれる事になった。


 町の上空に巨大な扉が出現して、ゆっくりと開いていく。


 その扉は幻想的な雰囲気をまとっていて、なぜか扉の向こうで白い羽がたくさん舞っていた。


 すると、ミコト村の住民達が浮かび上がって、一人ずつ扉の中へ消えていった。


 おそらく転生するのだろう。


 彼等に共通点はない。


 おじいさんやおばあさんもいれば、子供や若者もいる。


 転生する彼等は共にいた家族や友人、恋人達に別れを告げて、満足げに消えていった。


 生まれ変わってもまっているのは、辛い世界だけなのに。


 そうつぶやくと、そばにやってきていたパスカルが「始まりだからじゃないと思います」と言った。


「終わりだから、必死に生き抜いたから、満足げに死んだんだと思います」

「俺達は死者なのにか?」

「死者でも関係ありません、ここでは生きてるんですから」


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