第21話 案内



 その祭りの景色の中には、パスカルの姿もあった。


 しかし、まだ村を歩くのに慣れていなかったのか、迷子になっていたようだった。


 あちこちをキョロキョロして、視線を彷徨わせている。


 神殿から出る事が少なかったようなので、それは仕方がなかった。


「迷っているのか?」

「ミレイさん。うっ、実はそうなんです」


 知らない仲ではないのでミレイは、パスカルを案内することにした。


 パスカルの目的地は、町の広場の噴水だった。


 正午に見事な水の華を咲かせる噴水を見たいらしかった。


 途中で迷子を見つけてどうなるかと思ったが、両親を探して引き合わせる事に成功。


 なんとかその時間に間に合う事ができた。


 正午ぴったりになると、噴水の水が盛大に噴き出した。


「わぁ、綺麗! ありがとうございます、ミレイさん。これからもよろしくお願いしますね」

「ああ」


 噴水は綺麗な水の芸術を二人に見せてくれた。


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