第20話 当日



 転生祭の日がやってきた。


 ミコト村はあちこちがかざりつけられて、どこも、お祭り騒ぎだった。


 村の中で人々が、さわいだり、はしゃいだり、のんだりたべたりしていた。


 露店がたくさん出ていた。


 催し物もいくつかあった。


 一見すると、ただの祭りのように見えた。


 ただただ平和な光景に見えた。


 ミレイはその中でベリルの店を手伝っていた。


 人手が足りないと言う事なので、手伝うことになったのだ。


「おにいさん、そのパンをあたしにもくれっす」

「わかった」


 小遣い程度で買えるパンも多かったので、小さな子供にもパンを販売していく。


「やったー。パンげっと。お姉ちゃんとたべるぞーう」


 数時間の間に、たくさんのパンが売れて、たくさんの人の胃袋の中に消えていった。


 商品があっという間に売れていったので、すぐに暇になった。


 仕事のお礼に給料を受け取ったミレイは、いつもより騒がしい町の中を歩いて巡る事にした。


 家族や友人、恋人達などなど。


 祭りを楽しむ者は大抵、親しい者達といる人が多くて、反対に一人でいる者達は少なかった。


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