第19話 許しの時
だから、そんなたくさんの罪が許された証である「輪廻の扉が開く時期」は、とても嬉しい事なんだという。
ミレイは、大きな戦でたくさんの人を傷つけた。
だから、この世界へきたのだろう。
この特別に周期の遅い世界へ。
その理由には納得した。
けれど、ミコト村の人達全員がそうだとは思わなかった。
知らされても、とても納得できなかった。
「どうしてこの村のみんなは、あんなにも穏やかなんだ」
「色々なしがらみから解放されたからじゃないかな。いいや、なくなったというよりはゼロにもどったと言う感じかもしれないね」
ミレイは頭を振る、理解できなかった。
「この村の人達は続きの人生を歩んでいるわけじゃないんだよ。一から未知の人生を歩んでいるからだと思う。僕達のように思い出す人間はほとんどいないから。だからだと思うよ」
いつか罪が許される日がくるというのなら。
「俺の罪も許される時がくるのか」
「きっと必ず来るよ」
あの戦場で積み上げた屍の山を思い出す。
やはり、とても信じられない事だった。
その日の夜は、たくさんの屍の上に立つ自分の夢を見た。
これまでにないくらい、はっきりとした夢だった。
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