第14話 泉での仕事



 それからミコト村では、しばらく雨が降り続いた。


 雨季がやってきたらしい。そのため、人々は家の中にこもりがちになる。


 雨の勢いはそう強くなく、しとしと降り続けるのみ。


 嵐もあまりやってこない。


 静かで穏やかな雨季だった。


 そんな雨季の中、たまに貴重な晴れ間がある。


 そういった時に、今まで家の中にこもっていた人たちは外へ出る。再び雨が降りはじめるまえにと、まとめて用事をすませるのだ。


 それは、ミレイ達も同じだった。


「じゃあ、今日は泉で採取してもらおうかな」

「わかった」


 その晴れた日、ミレイが向かったのは、泉だった。


 そこで、貝殻を集めてきてほしいと頼まれていた。


 貝殻もすりつぶすと薬になるらしかった。

 そして、水を多くふくんだ植物もついでに摘んでこなければならない。


 いつもより大きめの荷物袋をもって、ミレイはその目的地へと向かった。


 地図をかいてもらったミレイは、間違えないように慎重にその場所へ。


 人里離れた小さな森の中、そこに目当ての泉はあった。


 こんこんと水が湧きだす小さな泉は澄んでいて、とても綺麗だった。


 さっそく収集を始めようと思ったが、その視線の先には倒れている少女がいた。


 それは、新しい人間がこの地にやってきた瞬間だった。


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