第12話 記憶の柱
ミコト村に来て一か月、記憶を思い出す事が増えてきた。
ルルはミレイのその話を聞いて「めずらしい」と言った。
その理由は、たまにやってくる最近の旅人は記憶を思い出せない事が多いというからだ。
他の旅人も、ミレイと同じような状況らしい。
思い出しても大抵はおだやかな者達が多いのだが、この間ルルにつっかかってきた荒れくれものもいるらしい。
そういった人間は、記憶を思い出してすぐの人間だとルルは言った。
ミレイは、自分もそうなるのかとおもって、少し怖くなった。
そんな事があった日、ミレイは新しい採取地へ向かった。
採取になれてきたので、次の場所に挑戦するためだ。
その場所には、奇妙な柱が立っていた。
水晶でできたその柱は記憶の柱というらしい。
ルルからそういうものだと伝えられていた。
『危ない物じゃないから大丈夫だよ』と。
しかしミレイはその存在が気になっていた。
その日、ミレイは記憶の柱に何かが映るのを見た。
それは一人の少女の記憶だった。
それがどういう現象なのかはわからない。
けれどミレイは、近いうちに何らかの変化が訪れるような気がした。
採取を終えてルルの元へもどると、彼は言った。
「記憶の柱は、この地に新たな人がやってくる前に、映像をうつしだす」のだと。
ミレイがやってくる前も、そうだったと言った。
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