第11話 巫女



 その日、ミレイはミコト村の神殿を訪れていた。


 ミコト村には巫女という存在がいるらしかった。


 その者は、たまにやってくる存在に庇護を与える者らしい。


 ミレイはルルに拾われたので良かったが、そうでないものは、巫女の庇護下に置かれるらしい。


 ミレイは、そんな巫女と話す機会があった。


 調合薬を届けに行ったときだ。


「ありがとうございます。これで一か月は大丈夫ですね」


 巫女はどこか体が悪いようだった。


 それで薬が手ばなせないらしい。


 巫女はどこか神秘的な雰囲気を持っていた。


 名前はなく、人々からは巫女という役職で呼ばれている様子だった。


「ミレイさん、あなたはこの地での生活になれましたか?」

「一応は」

「それは良かった」


 巫女は穏やかに微笑み、ミレイの幸福を願った。


「どうかあなたがこの地で幸せを見つけられますように」


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