第9話 パン屋のベリル
ベリルと名乗った女性は、その後ミレイが探している薬草を見分けてくれた。
ミレイは自分が記憶喪失である事を話し、ルルの店で世話になっている事も話した。
それを聞いたベリルは、なるほどと言った。
「先日、ルルさんがお店にやってきていつもより大めにパンを買っていったので、納得しました」
ミレイが居候になったから、必要になるパンの量が増えたのだろう。
食卓に最近、パンがのった日の事を思い出した。
それで思い至ったようだ。
「この村にすむなら、これからよろしくお願いしますね」
べリルはそう言って去っていった。
店に帰ったミレイは、無事に薬草を届ける事ができたが、自分では見分けられなかったと素直に伝えた。
ルルは苦笑して、「なれるまで、今度から僕もついていくよ」と言った。
恩を返す道は遠い。
前途多難だった。
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