第8話 採取難航



 指定された場所に向かったミレイはさっそく頼まれた仕事にとりかかった。

 しかし、採取は難しかった。


 簡単な薬草の見分けもつかなかった。


「ぜんぶ、おなじにみえる」


 草の見分けがつかなかった。


 図鑑を見ても、どれがどれだか分からない。

 たまにちょっかいをかけてくる小動物を、軽くいなす事はできた。

 しかし、薬草の判別だけはどうしても分からない。


 頭をかかえていた所に、人がやって来た。


 ファンダルアにあるパン屋の娘だという。


 味付けのアクセントの為の植物をとりにきたらしい。


 彼女はさっと薬草を示して、「お探しの薬草はこちらではないでしょうか」と告げた。


 見分けはつかなかったが、住民が言うならそれが正解だろう。


 ミレイはその少女に、例を言った。


「いいえ、大丈夫です。僕の名前はべリルといいます。貴方の名前は?」

「ミレイだ」

「最近来た方ですか。みかけない顔ですね」

「そうだ。ルルという薬師の所で世話になっている」


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