猫への変貌、人の願望

バブみ道日丿宮組

お題:猫の牢屋 制限時間:15分

猫への変貌、人の願望

 閉じ込められてからはや数週間。

 衣服は剥ぎ取られペットのように扱われる毎日。いくら施設の中が広いとはいえ、人間という尊厳はもはや最初の段階で奪われてしまった。

 薬の効果がきれればただの性の快楽に囚われ、オスに行動を起こされる。終わってみれば、相手も自分が酷いことをしたという不快な気分に陥る繰り返し。

「……」

 唯一の救いは施設の中に仲間が多いことか。それとも生きられてることか。

 ただ猫化の薬の影響のおかげか繁殖期になるとこの中は牢獄になる。

 どこにいっても目を光らせたオスたちが襲い掛かってくる。彼らも彼らで自制を保つのが不可能な時期。お互いがお互いを求めなければ、地獄。

 快楽の牢獄として認識するしか私たちは受け入れるしかない。

 閉じ込めたご主人は、檻の上にあるガラスの窓からそれをいつも満足そうに見つめるばかり。人権などここにはない。

 私たちは売られた。いや買われた。

 ただ知らなかった。愚かだった。

 猫の実験サンプルが欲しいから、協力して欲しい仕事がまさか自分たちが猫になるとは誰にも予想できなかった。

 最初に行われた注射。

 あれさえなければ、こうはならなかったのかもしれない。

 裸になって施設内を猫のように過ごしてほしいと言われた数時間、数日間は羞恥心でいっぱいだった。けれど、薬の効果なのかなれなのか、隠すものも隠さず気まぐれに施設を動く毎日だった。

 人間の言葉は忘れてなどはいない。

 会話は自由。

 ただし録音も、録画もされてる。

 逆らうことは元よりできない。

 そこは猫の習性なのかもしれない。なぜかご主人の前にいくと擦り寄って、強請ってしまう。オスであろうとメスであろうと感覚は変わらない。

 何人もの裸の猫化した人間がただご主人にかまってほしいとアピールをし続ける。

 

 そしてやがてーー逃げるという考えもなくなった。

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猫への変貌、人の願望 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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