7. あのタイミング、ステップアップしたなって感じだった


 店員の声に見送られてジェラート店を出た。

 入り口で男性とすれ違う。


「もしかして、シーラくん?」

「……サトウさん?」


 その男性にシーラが話しかけられた。反応を見るに知り合いのようだ。こんばんは、と挨拶し合う。俺もこんばんはと言っておく。挨拶はしておくものだからだ。

 サトウさんと呼ばれた男性は濃紺の洒脱なスーツに身を包み、横一文字に結んだ口元と目が見えないサングラスでなんともいえない雰囲気を醸し出している。


「サトウさんもここに?」

「うん、よくくるんだ。奇遇だね。」

「そうだ、サトウさん。メテオの止め方知りませんか?」


 世間話かい。

 サトウさんもふわっとそれを受け止めた。どういう知り合いだろうか?


「お、シーラくんあれ止めようとしてるんだ。」

「実はそうなんです」

「それはありがたいなあ……。止め方、心当たりならあるよ。」

「えっ!」


 え!?


「本当ですか!?」

「んー、どれだけ確かはわからないけど。そっちの君もたぶんそうだよね。ウチ来る?」


 シーラと顔を見合わせる。

 そしてうなずいた。答えは一つだ。


「ぜひ」

「お願いしますっ!」

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