お昼のメンバー?
「はぁ!?ふざけんなぁ!」
「へぇ……聞かなきゃいけないこと、増えちゃった」
「さ、最低……!」
こいつ……恩を仇で返しやがった!クソ!なんてことだ!
全方向から圧がすごい!いつもうるさいはずの俊吉が無言になってるのがめちゃくちゃ怖い!
「あのなぁ……昨日はただ、こいつの話を聞いてやっただけだ!」
「ほんと……?」
「はいー!あんなに優しく話を聞いてくれた人は沖田先輩が初めてなんですよ?」
小悪魔風に微笑んでみせる山郷。
「すまん。疑って。それでも、一発殴っていいか?ちょっとお前にイライラしてきたわ」
俊吉はなぜか青筋を立ててブチギレている。
とにかくさ、
「カオスすぎるだろ!!」
それからというもの、結構由良の機嫌を直すのに苦労した。
流石に悪いと思ったのか、山郷もご機嫌取りに手伝ってくれたが、それでも、デートに今度二人きりで出かけるという約束をした途端、今までのはなんだったのかと言わんばかりに機嫌が良くなった。
「ふんふーん♪」
「何をそんなに機嫌良くしてるんだ?」
「だ、だってさ、陽介くんと……デート……でへへへへへ」
うん。残念美少女ってこんなことを言うんだろうね。
くねくねしながら喜んでいる由良を見ていると、俺とのお出かけで喜んでくれるのは嬉しいが、それ以上になんとも言えない気持ちになる。
「そういえば、山郷さん?やけに陽介くんと仲良さげだったね?なんでかな?」
「いやー、昨日夜突然声かけられたと思ったらカフェに連れて行かれて……」
やっぱりニヤニヤしながら俺が追い詰められる言葉を的確に渡していく。
……印象操作じゃない?
「おい由良。印象操作に引っかかるな。どう見ても嘘だろが」
「いや!だめ。陽介くんはいつ浮気するか……たいへん!」
真剣にそう回答する由良だったが、全く目が笑っておらず、冗談は一ミリの含まれていないことがわかる。怖い。
目の前にいる山郷は涙目でプルプル震えてる。
当たり前だわ。あんなさっきみたいなもん当てられたら普通焦るわ。ていうか気絶しないだけすごいな。
後ろを見ると、数人がぱたりと幸せそうな顔で倒れているところが見える。
「由良ってさ、嫉妬深いよね」
「……で?嫌い!?」
溢れてしまった声に、思わず不機嫌になる由良。
……なんだか自棄地味じゃない?
「そうじゃないよ。嫉妬深い由良もかわいいって言おうとしたんだよ。」
「ふぁーあぁぁぁ」
そう言ってやると、由良はふにゃっと柔らかく蕩けてしまった。
耳元で囁いてしまったのが原因かも。
まあいいや!
「そういえばさ、一番言わなきゃいけないことまだ聞いてなかったわ。昼飯の4人組に山郷入れていい?こいつ友達はいても俺たちと食べたいらしい。」
「あーうん。歓迎するよ。」
と、山郷を歓迎してくれる隼吉と奏のカップルだったが、
「うーーーーーーん……いいよ。でも、必要以上に陽介くんにベタベタしないこと!」
「いや、それお前に一番言われたくないと思う。」
こいつ何言ってんだと思っていると、思ったよりもすんなり山郷は頷いた。
「わかりました!私、由良先輩のお邪魔にならないようにしますね。」
そういう問題じゃないのー!と言ってバタバタする由良をみ見つめる山郷さんは、やはり小悪魔のような微笑を浮かべていた。
突然キスしてきた美少女に責任を取らされそうです。 雨依 @Amei_udonsoba
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