四月三十日
今日はひどい雨だった。
シャツがぬれて、下着が少し透けてしまった。
周りからの視線が少し痛かったから、道中で適当な服を買った。
無表情な服で、私は気に入らなかった。
たまたま入った店にぶら下げてあった、一番安くて、一番ましな服だった。
その服以外には、真っ赤なハイレグやほとんど下着と相違ないもの、超巨大なレインボーのワンピースといったものだった。
どれも、着れたものではない。
その店の中では、その無個性、無表情のパーカーがやけに目立っていた。
クラブにオタクが迷い込んだみたいな感じだった。
その、地味さゆえに目立っていたのだった。
帰り道にもう一度店を見に行くと、閉店していた。
どうやら今日が最後の営業だったらしい。
なんだか、寂しかった。
私は、そのお店と、何となく友達になれる気が知らず知らずのうちにしていたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます