四月十三日
『美景地帯の魅力』
私はズボラな人間だけれど、日記くらいは毎日書きたいと思っている。
しかし、日常の中の特筆すべき事象は数えるほどしかないし、日によっては数えることすらできない。
だから、今日は私が生まれ育った丘山県にある美景地帯についてすこし記述したいと思う。
因みに今日も大学の帰りに寄り道した。
美景地帯とは江戸から明治にかけての町並みを残している、約百キロにわたる巨大な町である。(しかし、現代的な技術が節々に見られる)
町並み保存地帯に登録されている。また、約百キロある面積の外側をなぞるように、深い霧が町の姿をすっぽりと覆い隠している。
メヂカラはこの美景地帯を守ることを目的とした『美景地帯を守る会』のリーダーを務めており、カタツムリと一緒に町の治安を維持している。
美景地帯に入ると、観光目的の人と美景地帯の住人とが混在しているが、両者の見分けはすぐにつく。
前者は洋服で、後者は和服だ。また、侍や花魁、時折忍者の姿も見受けられる。
今度橋を渡っていくと、ソロが歩いている。
ソロは美景地帯の一部を不法占拠しているらしいが、メヂカラですら、それがどこにあるかわからない。
カタツムリの通訳ができるのはソロだけであり、カタツムリもソロになついている。
そのため、メヂカラも不法占拠については目を瞑っている。
明日は美景地帯の店できび団子でも食べようかなと思う。
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