四月六日

『水中』


目が覚めると、水の中にいた。

入浴中に眠り込んで、そのまま朝を迎えてしまったらしい。

部屋から目覚ましの音が聞こえる。


日をまたいで風呂に入ったのは初めてのことだった。

体を拭いていると、自分の体がふやけていることに気が付いて、可笑しくなった。

時間がずぅっと先に行ってしまって、私は置いていかれてしまったのだと思った。


今日は学校に行ってきた。

相変わらず山奥にあるので、猫電車とブラックバスを使わないと到達できない。


私は猫電車に駆け込み乗車をして、何とか事なきを得た。

かいた汗を、車内の猫でぬぐったのはここだけの秘密だ。


ブラックバスはその日も事故を起こしていたので、近くの商店街をぶらぶらした。

キノコボールとボーイッシュを見かけたが、長期休み明けということもあり、何となく話しかけづらかった。


ブラックバスがバス停をやや通り過ぎると私はそれに乗り込んだ。

ブラックバスは金魚バスなどの他の公共交通機関に比べて、スピードが速い。

けれど、その分激しい乗り物酔いを起こす。調子が悪いと吐いてしまう。


風邪をひいた日などは金魚バスに乗ることをお勧めする。


そのうちサイコな奴らの活動も始まりそうだ。頑張る。

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