第6話 バスラット領の今と未来図
まず第一に情報の確認をしよう。私はリリィに対して領地の運営権を頂戴と言って了承を受けて正式に運営権の譲渡が完了して私の頭にバスラット領の情報が洪水のように押し寄せてきた。
『アユリ様……一度ご自身のステータスを確認してはどうでしょうか?大丈夫ですよわたくしが優しく痛くは致しませんので……』
じりじりと近づくリリィに対して危機感を感じた私は後退りして逃げてたが壁にまで追い詰められて一気に襲いかかって来たリリィの手を払い除けることが出来ずに左胸にリリィの手がかかりまた色っぽい声を挙げてしまった。
《名 前》
《職 業》 バスラット領主代理
《種 族》 ヒト
《レベル》 五
《
《装 備》 異世界の眼鏡 異世界の私服 頑丈そうな木の棒
私の職業が無職から領主代理に変わっている。やったね私と言いたい所であるが代理?正式に譲渡されたはずではとリリィに問いただすと
『アユリ様は運営権を欲していたようなので……私は領地の運営を行える領主代理という地位にアユリ様を置くことに致しました』
私が文句を言おうとしたのを遮るようにリリィは続けざまに話す。
『それに私と永遠の誓いをすれば……全てを手に入れられますしね。アユリ様と私はいわば運命共同体……片時も離れることはありません』
ずいと近づくリリィの顔、石となりゴーレムとなってはいるが美形であり私の心が揺れ動く私にはそっちの趣味は無いとは言えないけど……。
私がピンチに陥っていたのを察してかライラがものすごい速さで私とリリィを引き離して間に入り込んでくれたので助かった。
『どなたですか……アユリ様と忠実なしもべリリィ・バスラットと永遠の誓いの邪魔をする輩は……と魔物それもラミアじゃないですか。……なぜこんなところに?』
二人(一人と一体)の間にはすでに火花が散っているように見える。このままでは殴り合いに発展しかねないと感じた私は二人の仲裁へと入った。
「はいリリィそこまで。ライラも大丈夫だから安心して。……さてとリリィには紹介がまだだったね。彼女はラミアのライラ私が初めてしもべにしたゴーレムよ。ちゃんと仲良くできる?私の言う事が聞けないなら……わかるわよね」
ちょっと悪女風に笑ってみせるとリリィはしゅんとしてしまっていた。
「大丈夫冗談よ。行き過ぎたことしなければなにもしないわ。もしもの時には『作品』になってもらうだけだからね」
『うぅ……わかりました。リリィはアユリ様の命をしかと受け止めます。……ライラ、いきなり敵意をむき出しにして……申し訳ございません』
ライラも悪かったといっジェスチャーを取っているので両者のわだかまりが無くなったようでようやく本題に移れる。
「さてと、仲直りも済んだことだし現状のバスラット領の現状について知識は頭の中にあるけど詳しくは知らないの。リリィ詳しく教えてくれる?」
『了解しました……本当ならまとめておいた資料があるのですが……全て消失しましたので口頭で申し訳ございません』
「大丈夫よ。お願い」
リリィが話してくれた内容を纏めると
・バスラット領はセントルイト公国のはずれのはずれ、隣国パーセルン王国との国境ではあるが周囲を山脈に囲まれあまり人通りの無いた小さな伯爵領である。
・公国役人もめったに来ることが無く納める税もあってないような物であるためほぼ放置状態である。
・貴族どうしの交流もあまりないそうでもっぱらバスラット領で暮らしている。
・領地もこの町を除けば周りの畑しかなく後は森と山だけ。
第一印象としては、ど田舎の辺鄙な領地である。この一言だけで表せるようなちいさい領地だが私としては住人が何かしらで全滅しても立地が立地のため救援が来る可能性が限りなくゼロに近いと予想が付くので好都合である。
何せ
「リリィ説明お疲れ様。少し聞きたいのだけれど貴女はこの領地をどうしていきたいと思っているの?」
私が突然質問したのでリリィは一瞬戸惑ったがすぐに落ち着たようだ。
『……私はここをもっと豊かにしていきたいと思っていました。……しかしそんな夢はもういりません。……私の夢はアユリ様がこの地で成されることをお手伝いするだけです』
「リリィの夢は解ったわ。教えてもらったことだし私の夢いや野望があるの。聞いてくれる?」
二体(二人)は頷いてくれたので私はゆくっくりと野望を話す。この土地に
「私の野望はこれただ一つよ」
色々とスッキリした所でライラとリリィに質問があるかと問いてみると
『いいえ素晴らしいです。……アユリ様、私は今猛烈に感激しております』
とリリィは感激しており、ライラも拍手をしている。二人とも私の野望に賛成しているようで良かった。
「ありがとう二人共。美術館を作るにしても町の資材だけじゃ足りないし、ここの守りもしっかりとさせなきゃいけない。要は人手が足りないのよ。ひとまずはリリィと一緒にライラが集めた石像の中から数体に当たりをつけてもらおうかと思うわ。ライラは防壁の外を巡回してもらうわ。たまに防壁の中に入ってきてねそうした方が都合がいいからね」
欠点として行商人が近づけなくなるが背に腹は代えられない。あくまで人手が集まるまでであった。
ライラはぬるりと外へ出ていき私とリリィは地下室へと向うのであった。
「さ、私達も地下室に向かいましょうか」
「はい。アユリ様」
私とリリィは地下室へと向う階段へとむかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます