第3話 私、野望を抱き仲間を増やす
私の意識が再び覚醒していく、あぁ死んだからあの世にたどり着いたのかな。目の前には天使かはたまた鬼人か……瞬きをすると目の前には灰色の女性の顔がある。
慌てて後ろに逃げようとするが後ろには木の幹頭をぶつけてしまった。痛い。
石化していたはずではと手足を動かしてみるが何処にも石化した形跡は見つからず誰かが直したという証拠も無かった。
ただ一つ言えることと言えば私は助かり代わりに石化させようとしていたナーガが何故か石化していたことであろう。
「なんで私が石化しないでナーガの方が石化してるんだろう」
外れてしまった眼鏡を掛け直すと突然眼眼の前に電子的な画面が表示された。
『おめでとうございます。レベルが5に到達したので新しいスキルを獲得いたしました!』
レベルアップの文字と何やら新しいスキルを覚えたとのテキストが現れたのだ。
あまりに突然過ぎて石化したワケでは無いが硬直してしまった。
「レベルアップ……?やっぱりここゲームの世界だったんだ」
それならば何処かでステータスを確認できるはず色々とさぐって見る。
(確か某ゲームの世界に入る映画だと右か左どちらかの胸を叩けば出てきたけど)
とりあえず両胸を叩いてみるが反応はない。
恥ずかしい気もするけど当てずっぽうで左胸を揉んでみる。
んぅ……と艶やな声が出ると同時にポンと私のステータス画面が出てきた。
悪趣味な確認方法だなぁと思ったけどそれは一旦置いておいて私自身の能力を確認してみよう。
《名 前》
《職 業》 無職
《種 族》 ヒト
《レベル》 五
《
《装 備》 異世界の眼鏡 異世界の私服 頑丈そうな木の棒
む、無職……まぁそれは置いておくとしていきなり私のレベルが5に上がっていた。
普通の異世界転生であればレベルは初期値は1のはずだが私がナーガを倒したと認識されたのか経験値が入ってレベルアップしていた。
※この装備によってスキルが制限されています。:異世界の眼鏡
つまり私の眼はファンタジーや神話生物として有名なメデューサの眼と同じようになってしまったのだ。何とも恐ろしい常時詠唱魔法を身に着けちゃったね。
現在は発動していないらしいが眼鏡を外すと発動してしまうのか。
試しに眼鏡を外して
すぐさま掛け直しておき常時発動しているので下手に人間の眼を見てしまえば石化してしまいそうなので眼鏡は寝る時を覗いて外すことのできない物になってしまった。
次に
リビングスタチューやリビングドールを生み出すための専用スキル、とのことらしいけど誰得なスキルなんだろう。それに魔法省の許可がいるって……どこぞの魔法使いが出てくる小説や映画でしか見たことない。
最後に意味こそ解るが使い方がわからない
一番物騒なスキルであった。何皇国第一種禁止魔法って。これ使ったら逮捕されるの?怖いなぁ。
だけど……このスキル、
それは
もちろんその従業員も石化した女の子たち、つまりは女性型ゴーレムだけで運営する。
そのためには可愛い女の子や女性は沢山必要だし広大な場所も欲しい。
だけどここは異世界、法律もなく土地も沢山ある。
女の子は攫ってきてもいいしもしかしたら私の同志がいるかも知れない。
そうと決まればとっとと近くの町を見つけて情報収集をして場所決めと行こう。そう決めて町へ向かおうとするがふと立ち並んだ石像を見ながら考えた。
「そういえばこの娘たちのステータスも見れるのかしら」
私の時は恥ずかしいが胸を揉めばステータスが出た。
試しに石化しているナーガの左胸を揉んでみようとするがザラザラとした石ざわりになっていたもののステータス表示が出た。
《種 族》 ラミア
《レベル》 三五
《
《装 備》 なし
《状 態》 石化
「ラミアだったの?てっきりナーガかメデューサだと思ってたのに」
ナーガもといラミアのお腹をなでて見るとザラザラしていて痛い。
研磨してあげて私の美術館の展示品にしてあげたほうがラミアの娘のためになっていいのかなぁとか思っているともう一つの魔法を思い出した。
「そうだ、此処で試しておかないとどんな
「
試しにラミアに向かって唱えてみる。
しばらく動かないと思っていたらゆっくりと動き出して私に
なるほどなぁ……と思いつつ左胸を触ろうとする。
嫌がる様子は見せずに私をじっと眺めているので遠慮なく触らせてもらってからステータスを出した。
《種 族》 ラミアゴーレム
《レベル》 三五
《
《装 備》 なし
《状 態》 石化
《
へぇ、種族も変わる上に使役人の名前が出るのかちょっと不便そうだけど……使え無いことはなさそう。
早速私はラミアゴーレムに指示を飛ばしてみる。
「じゃあ早速仕事よ。石化した女性だけをあの幌馬車に運んで。男は……まぁ解らないように砕いて隠しておいて」
指示を受けたラミアゴーレムは頷くような仕草をしたと思えば石像とは思えない滑らかさで動き出して石化した女性だけを幌馬車へと運んでいき石化していた男はというと穴を少しほって砕いた破片をそこに入れて埋めていた。
うんうんその感じと見ていると作業が終わったようで元の綺麗な道が戻っていた。
「流石私のゴーレムちゃん頭なでさせて」
お願いすると私の手の届く位置まで頭を下げて撫でさせてくれた。かわいい。
ここまで可愛いとなると名前を付けてあげたくなる。ラミア……ライラ……うん決めた。
「貴女に名前をあげるわ。ラミアのライラ。いい名前でしょ」
初めて名前を貰ったのか嬉しさで震えているラミアゴーレムのライラ。彼女に幌馬車を引かせて近くの村か町の近くまで連れて行ってもらおう。
幌馬車に乗り込んで後ろを覗いてみると冒険者風の石像三体の他にもう一体積まれていることに気がついた。
何処かのお嬢様だったのだろうかワンピース姿の石像は恐怖に染まった何も映らない眼で馬車の外を見つめている。
恐らく馬車の外にいた生身だったライラを見たのと予想できるが詳細なことはわかることがない。
「さライラ。町の近場まで運んでもらえるかしら?」
こくりと頷くとゆっくりとライラが幌馬車を引き出し動き出す。
車輪でラミィの尻尾を砕いてしまわないかと一瞬ひゃっとしたが上手いこと尻尾を車体の下に入れて回避しているようだった。
しばらくはゴトゴトと石像たちとの馬車旅である。
色々と疲れが溜まり少しぐらい横になってもライラならなんとかしてくれるだろうと思って目を瞑る。
夢の中へと旅立ちそうになっていると幌馬車が止まったと思えばライラが私の頬をつついていた。
「どうしたのラミィ……?」
眠気眼をこすりながらライラが指差した方を見ると町らしき城壁が見えた。
遠目で詳しくはわからないが城壁は崩れて暫く経つのか植生が侵食を始め城門は無残にも破壊されている。
「廃村かな?人気は無さそうだから町中に入ってみよう」
あまり乗り気ではないがゆっくりと近づき城壁の前へと近づいた。
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