第7話 俺は女運が凄く悪い。

東京で暮らし始めて随分な月日が流れた。


もう高校生か早いもんだ。


最近になり、俺は『女運』が異常に悪いことに気が付いた。


言葉使いは中学の時に僕と言っていたら、思いっきり笑われたので『俺』に変えた。


女運がそんなに悪いのかって?


ああっ恐ろしく悪い。


「あの理人くん! 友達からで良いんです…つ、つきあって下さい」


結構可愛い子だ。


「ごめんなさい…いい加減にして」


「そんな酷いよ…」


女の子は涙ぐむと走って行った。


酷いのはどっちだ。


どうせまたいたずらだ…泣いていたけど知るもんか。


「おおう、また理人女の子ふったのか? 泣いていたぞ!可哀そうに」


「和也…お前は中学からの付き合いだから知っているだろう?」


「今まで30人以上の女の子から告白された事か?」


確かに30人じゃきかないな、実際は48人だ。


「はぁ~とぼけんなよ…全部知っているくせに」


「ああっ、知っているさ…30人全員から3日間以内に振られているんだろう? お前、ホテルに連れ込もうとしたりキスを無理やりしようとしたんじゃないのか?」


そんな事はしていない。


今の俺はキスすらしてない。


まぁ童貞だ。


「あのなぁ、俺がそんな事してないのは知っているだろう? 親友」


「しないな」


俺は小学校の頃からやたら揶揄われている。


付き合ってというから付き合おうとすると、大体3日間以内にふられている。


原因は解らないが『怖い思いはしたくないから、ごめん』皆がそう言った。


これでも最初の頃は頑張っていたんだ。


女の子に嫌われないように、デートスポットを調べたり。


映画を奢ったりしていた。


それなのに…3日間もたないなんてなぁ…


最初の頃は1週間近くは付き合えたのに、今じゃ3日間。


酷いときは1日だった。


余りに酷いので、縁結びの神社に行ってみたら…その神社は翌日には火事で燃えてしまった。



神様ですらお手上げ…そういう事なのかな?


流石に酷いので僕はこの性格の悪い女の子の遊びに付き合うのを止めた。


だってそうだろう?


たちが悪すぎる…きっと俺が好きになった時に別れを切り出して、悲しむ姿を笑い者にしているに違いない。


だから…俺は『付き合うのを止めた』


最初に告白された時に断れば…傷つかないで済む。


どうせ、たちの悪い、女子の遊びなんだから…


何しろ『別れる理由を聞いても答えない』おまけに皆して真っ青な顔して俺を怖がる…酷すぎるよ。


それなのに、男は男で…


「お前、何様な訳? 女の子の気持ちを踏みにじるなよ」


「お前、最低だな」


「女の敵め!」


俺を責め立てる。


何だよこれ…


だから俺には友達は数人しかいない。


一人はさっき俺と話していた 木梨和也。


まぁ、俺が中学時代に振られ続けていたのを見ていたから、当たり前だよね。


それともう一人の友人は…


「あのね、貴方が振られるのは仕方ないの…それは貴方の中に、ごめんなさい…」


何故か俺に話し掛けてきては直ぐに逃げる『自称霊能力者』の宜保美瑠子(ぎぼ みるこ)ちゃん。


この二人が数少ない友人の二人だ。


あと1人いる事はいるが学校に来たり来なかったりだ。


体の調子が悪いらしく、お見舞いに行くと母親と一緒に喜んでくれる。


だけど、女の子を傷つけている、そういう評判のせいで俺は友達が少ない。


裏では『冷血王子』と陰口を言う人間も多くいる。


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