第359話
「残念だったのはレナの反応。私以上に人見知りなせいか、マナミを見るなり寝室に逃げ込んじゃって、それきり出てこなかったの。私はレナにも仲良くしてほしかったから、どうにか挨拶くらいはさせようとしたんだけど、無理だった」
――小さい子はなあ。環境の変化で情緒不安定になってるのかもしれないし。
「私たちは同じアイドルが好きだったから、録画していた番組を見て盛り上がった。でもマナミは段々と浮かない表情になっていって、夕方には帰ると言い出したの。もっと遅くまでいてくれると思っていた私は寂しくなった」
――主人公、依存的な性格だな。まさか本人が幽霊ってパターンもある?
「ところが意外なことに、マナミは私を自分の家に誘ってくれた。マナミの家も今日はお母さんがいないから、うちで一緒にご飯を食べよう、泊まっていっていいよって言ってくれたの。すごく嬉しかった」
――あれ、やっぱりマナミのほうが幽霊か?
「私はレナを説得しようとした。置いてはいけないから。でもレナは相変わらず寝室に籠もりっきりで、何を言っても返事もしてくれない。そんな私たちを見て、マナミは少し苛ついた様子だった。エマだけでいいから来てよ、って言われた。私も少し苛ついた。お母さんもいないのに、レナだけ置いていけるはずがないでしょって思った」
――そりゃそう。
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