第177話
「じゃあ、恋愛ものだったら、どういう感じになるんですか? 二人でヒロインを取り合う的な?」
「じゃなかったら話にならないだろ。それか、二人がくっつくか」
今は恋愛をしたい気分ではない。というより既に、不思議な恋人関係を頑張ってもいる。タナトスとくっついたのではゲームと現実とで頭が混乱しそうだ。
――ないな。
消去法で二択が一択に絞られてしまった。
「バトルものはどういう話ですか?」
「えーとだな、まず主人公の身に不幸が起きる。家族が殺されて、自分だけ生き残る的なな。それを助けてくれる案内役が都合良く現れて、メンターに引き合わされる。戦闘力を高めてくれる師匠だ。そして修行、試練を乗り越えて、その世界の最強集団みたいなやつに入る。で、敵を倒すごとにボスに近づいていって、復讐を果たしたり問題が解決したりする。――いくつかパターンはあるんだが、だいたいこんな感じだな」
「……だいたいそんな感じですね」
思ったより具体的な説明だった。
「じゃあ、タナトスはその、最強集団みたいなやつでの仲間とか?」
最初は対立し合う仲だけれど、最後は共闘するという流れが容易に想像できる。ビジュアル的に、強くて人気のあるキャラだろう。
北条さんは首を横に振った。
「そこまではわからない。どの役に割り振られるかはランダムなんでな。まあ、入る順に主要な役につくから、親友かライバルだろうとは思うが」
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