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「文学のジャンル」への応援コメント


  • 編集済

    始まりが同じでありながら、移り変わる地域によって形を変え違うものが生まれてくる。
    それがWeb小説にも当てはまるのだなと、(いやむしろWeb小説だけに留まるものではないのかな?)ふむふむと唸りながら読ませて頂きました。
    最近教えてもらったもので、物語は野球のベースのようなものでぐるりと巡り最後は始まりに戻る。ただしそのままではなく主人公は巡ったことにより成長してから始まりの場所へ返るものだというものがありましたが、まさにそれなのかなぁ。
    自分の主人公がぐるりと巡って成長して戻れるように私も作っていけたら。
    いや、そうできるように頑張ってみよう。

    作者からの返信

    物語には色んな法則が論じられますよね。それ自体が文化史として研究されてよい気がします。野球のベースの比喩は聞いたことがなかったので新鮮でした!
    キツネの理想でいえば、ファーストベースを踏むかに思えた主人公が明後日の方向に走り出して球場を飛び出し、行きずりの子どもを助けたり時間旅行したり火山の噴火を食い止めたりした後に、ふと球場に野球を見に行って、ファーストベースを踏まずに明後日の方向に飛び出していく自分を眺めるような物語です。何が言いたいかというと、物語の規則を解体したいという欲望と、物語の規則を応用したいという欲望が鬩ぎあっています。笑

    チェーホフの銃という有名な理論もありますよね。第一幕の部屋で飾られていた銃は、終幕までには撃たれなければならない。20世紀中葉にはこういう物語規則を破壊する作品がたくさん生まれましたが、現在は破壊でも遵守でもなく、規則自体と遊ぶ、駆け引きするという視点も重要になっているのかもしれませんね。揶揄されがちなテンプレートもののうち、成功している作品の多くは、テンプレートの常識と駆け引きしているのではないでしょうか。

  • ライトノベルは特に現実では経験できないことや、スカッと!や可愛い女の子やイケメンに溺愛される!とかそういう理想が詰め込まれているなーとはすっごく思います。個人的にですが…
    それが推しになれば、楽しいでしょうしね~
    だからこそ楽しい現実を感じていたいという思いから、難解なことやシリアスすぎることなどがあまりウケない傾向にあるように見えるのはそのせいなのかなーとか。(主観的にですが)
    本屋に行けばほんとーに異世界もので溢れてますし、恋愛ものは溺愛系や甘々が多いですし、読者に求められているものはやはりそこなんだろうなーとか。
    ライトノベルも少しずつ流行りが変わっていくように、今後もまた少しずつどこかへ変わっていく…のか?もしれませんね😅

    作者からの返信

    ライトノベルの作家は意外と職人気質なんですよね。ニーズにきっちり応えていく。純文学の作家が「おれの芸術を描く!」と全裸で走り出していくのを横目に、きちんとマーケットを調査して、道具を揃え、市場競争に身を乗り出す。そうして誰かの推しが生まれるんですね。全裸にバズーカを抱えて戦場に赴くキツネとは少し毛色の違う世界だな、と思い始めている近頃です。ちなみに凛々さんは羽毛布団にくるまってお酒を飲みながら台風と踊っているイメージ。

    書店のラノベ棚は今や蠱毒。そこで生き残った作品がアニメ化され、アニメで成功した作家がいっぱしのプロであると認められる。逆にいうと、書店の棚にたくさん置いてあるからといって求められているとは限りません。真に求められている作品が、もしかしたらまだ書店に一冊も置かれていないかもしれない、などと考えてみるのもオツなことです。凛々作品、カモン!

  • Web小説は、私が創作による交流を中断していた10年ほどの間に、流行り系は軽量化されすぎ、ゴーイングマイロード系は洗練されすぎて、未知の世界になっておりました^ ^
    黎明期の混沌とした時代が懐かしいなと思いますが、過去の流行は戻って来ないですもんねぇ。
    何だかんだで神話をベースにしたものは、どの時代にも普遍的な人気を獲得できる気がします。使い尽くされた感はありますが、一種のテンプレートでもありますもんね。

    作者からの返信

    軽量化も洗練もキツネにとっては読みやすい方向に変化してくれてありがたいです。黎明期のWEB小説は迷子になりがちだったので、カクヨムにきて随分楽しめています。でも、混沌とした時代の良さもあったのでしょうね。

    神話の普遍性は、人類が人類であるうちは変わらないのでしょう。少なくとも二〜三万年の長きに渡って共有されているようですから。ディテールは時代によって変わっていくのだと思います。噂のシンギュラリティが訪れて、AIが物語を書き始めたときにどうなるのかは楽しみです。それまで生きてるかなぁ。

  • スローライフとかが流行ってるのはみんな現実に疲れてるのかもしれない、とは思ってましたが、そうですよね。やっぱり現実からの離脱ってことで、チート転生が流行りますよねぇ。せめて物語の中だけでも報われたいって思うのもわかります(><)

    作者からの返信

    私たちの現実から最も遠い幻想がスローライフなのだとしたら、こんなに怖ろしいことはないですよね。エンターテイメントの役割は社会生活における気晴らしですから、ある意味では現在の社会構造を温存する方向に働きます。みんな「スローライフは物語の中だけで楽しみたい」と考えているならさほど問題はないのですが、実際のところはどうなのでしょう。

    さかなさんはハッピーエンドを迎える物語を書かれますよね。「物語の中では報われて欲しい」というのは、祈りのようなものかもしれません。大切に描かれたハッピーエンドの物語は、娯楽として消費するのではなく、人生を通して共に歩んでいきたいものです。


  • 編集済

    めっっっちゃくちゃわかりやすかったです先生…!!昨今のWEB小説の傾向をよく分析しておられる…!!
    異世界転生が流行っているのは現実世界からの離脱。そして報われることが条件という話を聞いてなるほどなぁと思いました😌昔からある勧善懲悪ものも、悪いやつをやっつけるテンプレ展開が好まれますもんね。作家による個性というスパイスで味付けをしつつ、王道の流れに持っていくのが重要なわけですね☺️
    ということは、この1〜3の要素が入っていれば異世界テンプレじゃなくても人気作品を書けるのかなと思ったのですが、それはまた違う話なんですかね?🤔
    テンプレも大事だけど、作家自身の個性を磨くのも大事なんですよねきっと✨

    作者からの返信

    抽象論としては、①〜③を満たせば、異世界テンプレじゃなくても人気作になり得ると思います。実際にライトノベルの主流は90年代から10年代にかけて〈ハイファンタジー〉→〈学園ファンタジー〉→〈MMORPG風ファンタジー〉と変遷してきましたが、概ね①〜③を満たしています。
    とはいえ、①の時点で流行のモチーフを離れると、そもそも読者が入ってこないというリスクはありますよね。上記に挙げた流行の変化は、要は①の入口におけるモチーフの変化だったというわけです。いまの流行のモチーフは〈異世界転生〉で、これがたくさんの読者を獲得しています。以前はハイファンタジー、学園ファンタジー、MMORPG風ファンタジーでした。異世界転生にも飽きがきてはいるのでしょうが、次のモチーフが何になるのかはまだ誰にも分かっていません。誰かが超絶ヒットを飛ばしたときに、がらりと切り替わるのでしょう。結月さんが超絶ヒットを飛ばしてもいいんですよっ?