第2話

 ぼくは自宅に戻ると、すぐにノートパソコンを立ち上げた。

 去年に引き続き文化祭の実行委員を押し付けられた僕は、来月に迫った文化祭の準備で大忙しだった。

 専用の文書作成アプリで企画書を確認して、紙のノートに優先事項をメモする。

 一通り終わったところで、自宅に持って帰っている書類を取り出す。

 1時間ほどの作業だ。ぼく自身の出し物はないし、企画書だってすでに通っている最終段階のものばかり。必要な確認事項も、学校で行う内容として適切なものか、法に触れていないかなどの最終チェックのみ。

 ……その量が多かったりするんだけど。

「……これで、ぼくの仕事は終わりかなっ」

 ぐぐ、と伸びをした。

 あとは実行委員長に問題なしを報告するだけだ。本番の仕事はほかの人に割り当てられているし、時期が被っている定期テストの勉強もできる。

 時刻は23時を回ったあたり。いつもに比べればやや夜更かし気味だが、概ね予定通りだ。

 布団に滑り込んで、目をつむる。

 自覚以上に疲労がたまっていたようで、僕の意識はすぐに落ちていった。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る