第4話 言葉

クラス全員のフルシカト

隣のクラスまでフルシカト

何があったのか解らず、仲良しの数人に声をかけたが近寄るだけで席を立って目の前から去って行きとりつく暇がなかった。

同じ中学から来た友達が1人違う科に居たので相談に行った。お昼はその子の友達が一緒に居てくれて、友達になってくれた。

だが、クラスのイジメは加速。

お昼から戻ると上履きで背中を叩かれ、転科すればいいのにと嫌みを言われる。体育の時は先生が背中を向けてる時にテニスボールが私に向けて一斉に打ち込まれる。

それでも、親には言えず毎日何事もないかの様に登校する私にクラスの一人が「良くここまでやられて登校してくるよね❗頭いかれてんじゃねーの」と暴言がとんだ。

イジメが始まって半年過ぎた頃……生徒会長から呼び出しがあった、話は時期生徒会長に候補しないかとの話だった。イジメられても登校すりその心の強さが気に入ったらしく、暫く生徒会長に着くように言われた。

生徒会長について1ヶ月……クラスの数人がびくびくしながら声をかけて来るようになった。

私に暴言を言った子までも「あの時はごめんなさい」と手のひらを返してきた。

私はその子に何故私が無視をされたのか理由を聞いた……理由は単純だった。

席替えの時「A子でいいや」この「でいいや」が原因だった。この一言A子も特に「言葉のあや」と思っていたそうなんだが、一緒にクラス委員をしていた人懐こい子が「妥協されてるんだよ❗むかつくでしょ❗何様だよアイツ」と煽り立てたらしい……一瞬、口が開いたまま固まった……「はい?」としか思えず、腹も立たなかった、ただ言葉は怖いんだと感じた。

もう一つ、私は彼女に聞いた

「何で今、話しかけてきてくれたの?」

その問いに彼女は、こう答えた

「クラスから吐き出されても、絶対一人にならないじゃん?必ず誰かがあんたに声を掛けて一緒に居るのを見て何かあれ?って思って話したくなった。」と

「はぁ……」

としか返事のしようがなかった。

イジメが始まって2ヶ月位した時、有ることに気がついた、

「一人って楽だ」

何をしようも、何処に行くにも自由だし一番楽なのは、「悪口、陰口」に付き合わなくていいことだ。

そして、彼女から話を聞いてから考えた。

「言葉とは本当に難しい」一言でこんなに人生が変わってしまうのか❗と思った。

そう考えると、人と話すのが少し怖くなかった。

「そんなつもりが、無い言葉」世の中にそんな言葉がどれだけあるんだろうか。

「で、いいや」確かに「妥協」の言葉であり人懐こい子が言った事は間違いではない。いくら私にそのつもりが無くても、たったそれだけの言葉で私は楽しいハズの高校生活の1年を無駄にした、だが、無駄にしなければならない程の言葉であったのだと思った。

これから人と関わる中で、言葉は絶対に必要で無くてはならない物、「変わろう自分」と思った。「ありがとう」「ごめんなさい」絶対どんな場面でも言える自分になる為に何が必要か考えた結果。「他人に興味を持たない」事を決めた理由はこうだ。

他人に興味を持つと、根掘り葉掘り聞いて要らぬ悪口や要らぬ言葉を言うようになる。

例えば「酷いね❗その子どういうつもりで言ってるの?馬鹿にしてんじゃないの?」とか

下手をすれば、またイジメられる側、またはイジメる側になってしまう、人懐こい子と同じ。

どちらも嫌だなぁって思った。

だから興味を持たない、話は聞くが「でもさ、どう思ってるかは、本人じゃなきゃ解らないんだからはなして話してみたら」と言える人間になりたい。45年たってようやくすんなりそう言えるようになるのだが……

自分の言った言葉に「責任を持つ」と言うが……45年立っても中々持ちきれない責任であると実感。

そして、都合のいい彼女の「ごめんなさい」は呆れる程、心には響かなかった。

2年生に上がる頃、人懐こい子は1人の友人を残しクラスから孤立していた。逆に私には心に響かない「ごめんなさい」を言ってくれたクラスメイトが数人一緒に居てくれたが、その頃には既に「他人に興味を持たない」が少し確立されサバサバと一人で動く「男子並み」の気質が出来ていた。

その後2年生から生徒会長になり、3人の後輩とも気が合い卒業までの2年間それが一番楽しかった。

それ意外私の高校生活には「キャッキャ」している事がなく親友等も作らずでも、「友達」は出来ていた。思い出に残らない高校生活、それは言葉を知らない女子高生の自分が発したたった一言が原因。自業自得である。


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