第31話 海

 3人の関係が決定的におかしくなった日が過ぎ去り。


 それから、俺たち三人は……………………南条家が持って居るサーファー向け別荘に来ていた。まぁ予定通り、三人ではなくてスティーブさんもいるので4人だな。


 二股になっている問題は、結局あれから答えは出せないまま夏休みに入ってしまった。


 順番で言えば、ナオとそのまま付き合ってしまうのが自然なんだが、焦って結論出そうとしている彼女と関係を結ぶのは正しい事なんだろうか? 今回の旅行で確かめたい所だ。


 ミサキの方は、家族としても一人の女の娘としても守りたい。そう思ってる。


 こちらは、両親に相談してしまう。と言う手もあるな。俺だけで抱えるのは内容が重たい感じがする。どのみち、大学行ったら側に居られないんだし………。


 独りで、物思いに耽ってるとスティーブさんから声をかけられた。


「ダイスケさん、元気ないですね! 今日は天気良いんですからっ。楽しみましょうよっ」


 そう言いつつ、サイドチェストを決めるスティーブさん。今日は、日焼けするつもりなのか、海パンスタイルに全身オイルを塗っていて全身テカテカしていて存在感が凄すぎる。


「さぁ。一緒に体動かしましょうっ。そうすれば、悩みも吹っ飛びますよっ! まずはスクワットしましょうかっ!!」


「ありがとうございます。でも、今あんまり気分じゃないですよ」


 言うが早いか、スクワットを初めてしまう。スティーブさん。見て居るだけなのも居心地が悪いので、俺も初めてしまう。


「(ふっ)何言ってるんですか! まずは行動しないと(はっ)、何事も結果は出ません(よっ)!!」


「(んっ)行動ですか? それは(ふっ)………体験談です?(か!)」


「(えぇっ)!! どんな問題もまず行動です(いっ) 相手の気持ちは確認したんですか?(よっ)」


「(ふっ)いや、それ(はっ)………なんとな(くっ)」


 1セット終わったので、少し休憩を入れる。


「なんとなく、だと意外と分かってなかったりしますよ。話してみれば案外、なんとかなるかもしれません。ならないかもですけどねw」


「そんな無責任な……」


 そしてまた始めた。


「無責任(いっ)!! 結構!(うっ) 今ならまだ(あっ)」


「そんな(あっ)! わけには(いっ) いきません(よっ)!」


「もちろん(ふっ)! 子供できたら(あっ) 責任取ってもらいます(よっ)!」


「まだ(あっ) そんな(うっ) 事してません(よっ)!」


 喋りながら、スクワットとか結構疲れるぞ。これ。良くアニメとかでランニングしながら走ったりしてるが、あんなの絶対無理だ。呼吸がキチンとできない。


「体が温まって来ましたね。次はランニングしましょうか!!」


「えぇ。なんだか気分がアガって来ましたっ!」


 俺たち二人は、ナオとミサキに声をかけて軽くランニングしてくると伝えた。二人はバーベキューの準備をしてくれるって事だった。ビーチでバーベキューすると、なぜか普段より美味しく食べれる気がする。


 ちょっと本気で走って、お腹すかせてこよう。そう思った。


「兄さん、こちらは準備しておきますから。大丈夫ですよ。あとお水持って行ってください。走るなら水分補給しないと危ないですよ。スティーブさんも」


 そう言って、ペットボトルの水を渡してくれるミサキ。


「「ありがとう(ございます)」」


「私も手伝いますから! ミサキちゃん指示してもらえますか? あんまりご飯とか作った事ないから」


「えぇ、いいですよ。ナナちゃん」


 二人は、表面上仲良くしている。ただし、以前の様な穏やかな感じでは無い気がする。正直、この二人の間に入るのが怖い。何が爆弾になるかわかんないし。


 後で考えよう。そう思って、スティーブさんと二人で走りだした。


「いやぁ、正直面倒な事になってますね!!」


「あ、分かります? やっぱ………」


「お二人の雰囲気は前とは違うのは分かりますねっ! 原因がダイスケさんだと言う事もね!!」


 この人は、走りながらでも普通に話せるのかよっ!! 体重たいだろうにっ!! 基礎スペックが違いすぎるっ。


「はっきりさせないと!………でも怖いんですよ!(ハァハァ)」


「こういう時に使う言葉ってなんでしたっけ? 『当たって砕けろ』でしたっけ」


「砕けてどうするんですか!………使い方は合ってそうですけれどっ!(ハァハァ)」


「骨は拾いますよ!! こちらの葬式には参加した事がないので、初体験になりそうですな!!」


「やめてください。縁起でもないっ!(ハァハァ)」


「そうならない様にして貰えると。こちらも後処理が助かりますなっ!」


 後処理ってなんだよっ!! やっぱヤクザなのっ!?


 そんな話をしつつ。一旦ランニングを終えた俺たちが帰ってきたら、ナオとミサキがナンパされてた………別荘とは言え、サーファー向けだから近くに同じ様な物件があるんだよな。


 遠くから見るにサーフィンしに来た二人組に見える。


つづく

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あとがき


なんかほとんどトレーニングの話にw

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