第30話 二つ
俺とミサキは、キスをしてしまった。そうしたら、彼女から強く抱きしめられてしまった。
一回だけとは言ったが、時間は特に決めて無かったので、その一回が長かったんだ………嫌じゃなかったしな。
「離れたら、一回が終わってしまうのでダメです♪」
そう言う、ミサキがとても可愛くて、愛おしく感じた。もう、妹として見る事は出来なさそうだ。
「まぁ、もうちょっとだけならいいけど………な」
もう諦めよう。そう思って横になってお互いの吐息を感じる距離で見つめ合って居る。いや、顔が近すぎて見つめ合えてないな、ただお互いの体温を感じているんだ。
同じ、ベッドで添い寝している状態だ。高校生の若い体が我慢出来るわけがない。我慢出来ずに俺からキスしてしまって。それからは、ずっとしていた。
しばらくして
「なぁ、トイレ行きたいんだけど…………」
「ダメですよ♡ もう離しませんっ♪ 今、幸せなんです♡」
「いや、でもトイレ………」(ついでに抜いてしまいたい)
流石に俺の下半身が反応してたので、用を足すついでに一度抜いてしまいたかった。だけど、離してくれない。どうしたらいいんだ。
「一緒に行きますか? それならいいですよ♪」
「はっ? いや、どうやってするんだよっ」
「お手伝いしますよ?」
「なんだ、その状況………出せる物も出る気がしない」
「冗談ですよ♪ それでは、もう1回がある。ではどうでしょう?」
「まぁ、それで納得してくるなら………」
「あ、でもトイレの前までは付いていきますよ。一人で待ってるの怖いですし。私もシたくなっちゃいました♡」
どうやら、お互いにトイレの前で待つと言うよく分からない事を兄妹でするらしい。なんなんだ。
でも、一人だけにするのも不安だ。さっきみたいにパニックにならないとも限らない。なので、お願いを断れないな。と思った。
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ふぅ。出すもの出した事で、落ち着いた。でも、抜けてない………ドアの向こうには女の娘が居るんだ。そんな事やれるかっ。
ジャー
「終わったよ」
「はい。ちゃんと待ててくださいね。置いてったら………」
「分かってる。分かってるって」
そう言って、ミサキもトイレに行った。ただ、なぜか扉を完全には閉めてくれない。
「なぁ、ドア開いてるぞ?」
「兄さんがどこかに行かないか、心配です」
「行かないって、行くわけないだろ」
「そのままでお願いします」
そう行って、ミサキは始めてしまった。なんで、俺は妹のトイレの音聞いてんだろ。わけわからない。なんか、女の子の水って思ったよりも勢い良く出るんだなぁ。と、どうでも良い事を思ってしまった。
ジャー
「あの…………音聞いてました?」
「ん。まぁな」
「ど、どうでした?」
「へ?」
なんで、感想を聞かれてんだろう。わけわからない。ミサキの性癖が分からない。
「興奮しました?」
「えっ。いや、別に?」
「そうなんですか…………兄さんはそういう趣味は無いんですね」
「趣味って………まぁ、ノーマルだと思うよ? 経験ないから、知らんけど」
「わたし、兄さんが変態趣味でも大丈夫ですからっ」
「いや一体、なんのアピールだよっ」
なんか頭痛くなって来た。むしろ、そういう趣味が有ってほしいと言う事なのか? ずっと一緒に住んでたのに全然知らなかった。
いや、そもそも義理とは言え兄を異性として好きって言うのは、一般的ではないな。ミサキの変態発言と合わせて、なんか冷静になってしまったよ。
というか、廊下で騒いでしまってた事に気付いたので、すぐに部屋に戻る事にした。まずい。
それから、ミサキと添い寝しつつ、今までの二人の思い出を話をしていたら、緊張が解けて来てしまって、なんだか眠くなってしまった。
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チュンチュンチュン
昨夜は、結局ミサキと一緒に寝てしまった。性交渉的な事は無かったけれど……。
今まで、普通の妹だと思ってたのに、色々ありすぎて逆に冷静になってしまった。うちの妹はちょっと、いや大分変わってる。
むしろ普通に告白されていた方が、逆に我慢出来なかった。まぁ、月の物が来てるなら致せない訳だが。
――――やろうと思えば出来るんだとは思うが、多分童貞の俺には無理だ。
ベッドが血だらけになったのにびっくりして、萎えてしまう気がする。
その事が分かってて、昨夜積極的に告白してきたミサキを見てると、計画的なんだか、思い切りが良いのか良くわからないな。
単に捨て身だった。と言うだけかもしれないが………。
「お前は頑張ってるんだな…………俺も頑張らないとな」
昨日、結論を急ごうと様子がおかしなったナオ。そして、離れると壊れてしまいそうなミサキ。
二人の希望を叶える場合、どうやら俺は嘘ではなくて、本当の二股野郎になるらしい。
「なんで、こうなった」
つづく
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あとがき
嘘から出た誠。
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