第29話 願い②

妹:橋本 美咲(ハシモト ミサキ)視点


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『わたし、橋本美咲は、ずっと前からダイスケさんの事が異性として好きです』

『お義父さん、お義母さんにはもう話してあります』


 ……言ってしまいました。今日は(  )ちゃんの家に行ってから様子が変わっていたダイスケさんに対して、今まで胸の内に収めて居た事を言ってしまった。


 ゴメンなさい。 ――――――――大学入るまでは想いを伝えないと言う、お義父さん、お義母さんとの約束破ってしまいました。


 ミサキは悪い子です……………。


 約束を破ってしまった事と、想い人を困らせてしまった事に対して、緊張と罪悪感が込み上げて来た事で、呼吸がうまく出来なくなり気を失ってしまいました………。


 その後、意識を取り戻した時に居てくれた兄さんに対して言ってしまったんです。


『――キスしてもらえませんか? そうしたら、頑張れる気がします』


 これでもう後戻りは出来ません。本当は悪い子になった私に注意をしないとならない筈なのに、今は目の前の人の優しさに甘えてしまおうと思いました。


「…………1度だけなら」


 そう言ってくれたので、以前から妄想していた様に、すぐにでも抱きついて貪る様にキスをしてしまいたい。と考えて居たのですが、今はダメです。


 兄さんは、そう言いながら複雑そうな顔をしているんです。やっぱり困らせてしまってるんだと思って、辛くなってきました…………。


「お、おいっ。大丈夫か?」


 また、顔色が悪くなってきたのかも知れません。これほど自分の心が弱かったとは思いませんでした…………。


 今までは、新しい家族に対して心配させたり。面倒に思われない様にといつも気を張っていました。


 けれど、今、兄さんの曇った顔を見ているとなんだか………体が疼いて来ました。


 この考えは良くない。イケナイ事の筈なのに……どうしてしまったんでしょう?


「早く……………ください」


「あぁ、分かった………その前に、目を閉じてくれるか? そんな風に見られているとなんだか、しずらいよ」


 どんな顔をして居たのか分かりませんが………あまり、ロマンチックな表情では無かったのかもしれませんね………今度、鏡の前で練習しておかないと。


 ――――と考えてる時点で、すでに一度だけで、我慢できる気がしてませんね。


「はい……………わかりました」


 そう言いつつ、目を閉じたわたし。そうするとまた不安が込み上げて来ました。


 なので起きてから今まで、繋いでいた手を思わず強く握ってしまいました。


 そうすると、手を握り返してくれたんです。その事に口元が緩んで来て、とても幸せな気分になれました。


 そのまま待っていると、兄さんがゆっくり近づいて来るのを感じます。それに伴い胸の鼓動が、早まって来ました。


 そして、兄さんからキスをしてくれました。


 この機会を逃したく無いわたしは――――――


 手を握っていない方の手を体に回して、自分の方に引き寄せて強く抱きしめてしまいました。


つづく

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あとがき


妹ちゃんもヤミマミタ(身体的に)

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