第21話 色々
チュンチュンチュン
爽やかな朝の日差しを瞳の奥に感じつつ、俺は体を解しながら起き出した。
今日は、スティーブさんと学校に行って、あのロリコン教師のことを暴露することになっている。まぁ、被害者? 本人の話と前回録音した内容の音声をちょっと切り取りして、突きつければ有る程度いけるだろう。それに再就職先も案内するんだし。
その再就職先が幸せな所かどうかは分からないが。まぁなんとかなるんだろうな。とナオパパの顔を思い出しながら少し考えにふけっていた。
コンコンコン
ドアをノックする音が響いた。
「兄さん起きましたか?」
「あぁ、起きてるよ。どうした?」
「それが、ナナちゃんが風邪をひいたらしくて」
「え? なんで? 昨日は元気だったよな?」
「どうやら昨夜、湯あたりしたらしいんです。兄さんの方にはメッセ行ってないんですか?」
どうだろう? まだスマフォ見てないな。と思って画面を開いたら確かに俺の所にも連絡が来て居た。3人のグループがないのに両方に連絡するとか生真面目だなぁ。と思いつつ『大丈夫? お大事に。もし午後お見舞い行って良さそうなら連絡してもらえる?』と返事を送っておいた。
「とりあえず、午後お見舞いに行っても良さそうかは聞いておいた。そっちは何か変わった連絡はあったか?」
「いえ、内容は大差ないかと」
そう言いつつ、ミサキのスマフォの画面を見せてもらったが内容は同じだった。
「心配だが……すぐに行けるわけでもないし、とりあえず朝飯にするか」
「はい。もう用意出来てますよ」
そう言われたので、二人でリビングに行き朝食を摂った。うちは父さんが朝早くから出るので、部活やって居た頃は一緒に食べて居たんだが、部活辞めてしまってからは、朝食がバラバラになっていた。ミサキだけはなぜかいつも、俺に合わせて朝食摂っているんだけれど。それは今も変わらない。
『こんなに朝早く行ってどうするんだ?』と聞いた時は、教室で本を読んだりしているので問題ありません。とのことだった。普段、勉強する時は、いつも俺と一緒にしたがるんだが、たまに自室に篭っている時がある。その時は何をしてるんだろうな? と思うことはあるが、もう高校生になった年頃の妹に部屋で何してるんだ。とは聞きづらい。
朝食を終えたので、俺たちは学校に行く時間になった。今日はスティーブさんも学校に行くので、送ってくれると言うことで朝食を終えた後はのんびりTVを見たりしてくつろいでいると。玄関のチャイムが鳴った。
ピンポーン
「はーい」
「おはようございます。お迎えにあがりました」
そう言いつつ、巨漢のマッチョがウィンクする姿は、どこか滑稽に感じる。が、嫌な感じはしない。玄関にいると違和感を感じはするが。
「おはようございます。荷物取って来るので少し待ってもらえますか」
「はい。どうぞ。時間は余裕ありますので」
そう言いつつ、ニカッとした笑顔を見せてくれる。ついでに軽くフロントバイセックスのポーズを取っている。バンザイポーズみたいな感じのやつだ。なんか、事ある毎にポーズ取っているからな。この人。職業病なんだろう。きっと。
そして、スティーブさんの運転で学校に行く途中で、また俺とミサキは手を繋いでしまって居た。最近はなんだかこうしてるのが普通になっている気がする。こういうのはもう、十分勉強出来たよ。と行ってもミサキは『兄さんは、練習を卒業するには早すぎます』と言われてしまい。その勢いに推されて、続けてしまっている。
やがて、学校の校門前で俺たちを下ろしてから
「それでは、私は理事長と話て来ますので、ここで失礼します。何かあれば連絡しますね」
とスティーブさんが言って、駐車場へ向かって行った。外からみて黒いスーツを着込んだマッチョがジープで向かって行くと今から戦場に向かう。そんなワンシーンに見えてしまうな。
「兄さん行きましょう。他の方に見られていますし居心地が悪いです」
「あぁ、そうだな」
周りからの視線が痛い。走ってるのをあまり見ないジープからマッチョと学生が出て来たらびっくりするよな。あれ、乗ってても思ったんだがどう考えても、燃費よくないし街中を走るような車じゃない。
そういや、運転免許も取らないと……大学生になってから取るのって面倒っていうし。受験もあるし。高校三年生ってのは、ほんとやる事いっぱいあるな。ちょっと頭が痛くなってきた。それにさらに………。
「兄さん? どうしました? 上の空ですけれど」
「やる事いっぱいだな。ってさ。運転免許も取って置きたい気がするし」
「そうですね。大学生になってからだと面倒だって言いますね」
「さらに受験勉強もあるし、それに………」
そう言いつつ、ミサキの顔を見たら。後ろから照らしてた朝日が輝いてとても綺麗に感じた。
つづく
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あとがき
書いてたら、高校三年生って思った以上に色々やっていて
人生の中でもかなり重要な時期ですね。と改めて思いました。
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